葬いとカメラ

アーティストと文化人類学者らが考えた「葬い」を記録することについて。両者の視点から「死」と「葬い」を見つめた先に見えてきたものは……

書誌情報

定価
1,980 円(税込)
ジャンル
刊行日
2021年05月30日
判型/ページ数
四六判変形 並製 200ページ
ISBN
978-4-86528-031-9
Cコード
C0039
重版情報
2
装幀・装画
牧寿次郎/装幀

内容紹介

身寄りがなくなり、壊される無縁仏
自然葬をすることにした家族の葛藤
葬儀を撮ることの暴力性
在日コリアンのお墓
研究映像とアート作品
簡素化される葬儀と、葬いの個人化

 



誰もが直面する「死」と、残された者の「葬い」という営みを、どのようにとらえることができるのだろうか。
本書では主に映像によって記録するという行為を通じて、死や葬いを普遍的にとらえなおすことを試みるものである。
誰もがいつかは必ず直面する「死」という現象を、どのようにとらえたらよいのだろうか。
この本は、幸いにもまだ生きている私たちが「死」をどのようにとらえ、記憶、または記録していくのかということについて、アーティストと研究者がとことん話し合い、まとめたものです。

(「はじめに」より)

目次

はじめに 

討論参加者紹介 

プログラム1 変化する葬い、異なる立場からみえてくるもの 
プログラム2 葬儀を撮ることとは何か 
プログラム3 名前のある骨、名前のない骨 
プログラム4 土の下の世界/非倫理性 
総合討議 

〈解題〉討論を終えて 金セッピョル・地主麻衣子 (ゲスト:鄭梨愛) 

〈総論に代えて〉噛み合わなかった話についての話--研究者とアーティストの協働でみえてきた、葬いを映すことの意義 金セッピョル

おわりに 

謝辞 
討論参加者略歴

『葬いとカメラ』に関する情報

著者プロフィール

金セッピョル (キム・セッピョル)

1983年韓国・ソウル生まれ。大学共同利用機関法人人間文化研究機構/総合地球環境学研究所・特任助教。韓国放送公社(KBS)勤務後、2008年から日本に留学。総合研究大学院大学文化科学研究科博士後期課程修了、博士(文学、2016年)。2016年国立民族学博物館・外来研究員を経て2017年から現職。専門は文化人類学、葬送儀礼研究、映像人類学。
主な著作に『現代日本における自然葬の民族誌』(刀水書房、2019年)、「自然葬の表象のアリーナから:『We Don’t Need a Grave』をめぐる映像人類学的実践」『比較日本文化研究』19(風響社、2019年3月)など。

地主麻衣子 (ジヌシ・マイコ)

1984年神奈川県生まれ。アーティスト。多摩美術大学大学院絵画専攻修了。ヤン・ファン・エイク・アカデミーのレジデンスプログラムに参加。映像、インスタレーション、パフォーマンス、テキストなどを総合的に組み合わせて作品を制作する。
主な個展に「ブレイン・シンフォニー」(Hospitale Project、鳥取/Art Center Ongoing、東京、2020年)、「欲望の音」(HAGIWARA PROJECTS、東京、2018年)。主なグループ展に「新・今日の作家展2020 再生の空間」(横浜市民ギャラリー、神奈川、2020年)、「表現の生態系 世界との関係をつくりかえる」(アーツ前橋、群馬、2019年)、「第11回恵比寿映像祭」(東京都写真美術館、東京、2019年)など。

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