言葉の人生
片岡義男
言葉と作家の知的で愉快な関係を思う存分に味わえる、9年ぶりの語学エッセイ。
書誌情報
- 定価
- 2,420 円(税込)
- 電子書籍価格
- 2,420 円(税込)
- ジャンル
- 文芸・評論・エッセイ
- 刊行日
- 2021年08月25日
- 判型/ページ数
- 未定 並製 304ページ
- ISBN
- 978-4-86528-041-8
- Cコード
- C0095
- 装幀・装画
- 鈴木成一デザイン室/装幀、アンドーヒロミ/装画
内容紹介
ブルースに登場する人々は、その後どんな人生を送ったのだろう。かつて高級で輝かしく特別だった「ケーキ」という単語は、「ケーキバイキング」に安住の地を得た。「青春」を本気で直訳すると「ブルー・スプリング」になるのか。そして珈琲はいまや「珈琲」のひと言では頼めない……
新しい日本語、懐かしい英語。それらをつなぐ、カタカナ語。絶え間なく生まれ、変化し続ける言葉たちに驚いたり、楽しんだり、考えこんだり、時々ちょっぴりぼやいたり。
「サンデー毎日」連載に書き下ろしを加えた全88篇を所収、著者の新鮮な驚きと発見に満ちたエッセイ集が、ノスタルジックなビニールカバーの装幀で登場。
毎日の日常のなかで、時間を作っては、僕はなにほどか創造的な世界について、文章を書いてきた。六十年は続けてきたことだろう。時間を作っては、とたったいま僕は書いた。こににひとつの鍵があるようだ。日常の時間とは区別された、もうひと種類の時間のなかで、僕が使う日本語とは、なにか。『サンデー毎日』での連載の果てに、僕は新たな主題を見つけたようだ。日常とはすべてを異にするもうひとつの現実のなかで、僕が使う日本語とは、いったいどういうものなのか。これについて書くのは厄介なことだろうか。それとも、思いのほか簡単に、およそ千字ほども使えば、ことは足りてしまうものなのかどうか。やってみないことには、なにもわからない。やるほかない。新たな主題を僕が見つけたとは、こういうことだ。(あとがきより)