凸面鏡の自画像
ジョン・アシュベリー 飯野友幸
全米図書賞・全米批評家協会賞・ピュリッツァー賞受賞。ポール・オースターが偏愛する詩人による長編詩、30年ぶりの全面新訳。
書誌情報
- 定価
- 2,640 円(税込)
- ジャンル
- 詩・短歌・俳句・川柳
- 刊行日
- 2021年11月30日
- 判型/ページ数
- 四六判 上製 112ページ
- ISBN
- 978-4-86528-052-4
- Cコード
- C0098
- 装幀・装画
- 三木俊一(文京図案室)/装幀、Parmigianino, Self-Portrait in a Convex Mirror(1524年頃)/装画
内容紹介
ある日、プロヴィンスタウンをぶらついていて書店を通りかかった際、ショーウィンドウにパルミジャニーノの安っぽい画集があるのを見た。自画像がそのカバーだった。わたしは画集を買い、スタジオに持ち帰り、ゆっくり詩を書きはじめた──
(Self-Portrait in a Conve Mirror エアリオン・プレス版 序文より)
ニュー・ヨーク派の前衛詩人ジョン・アシュベリーによる552行の長編詩、『凸面鏡の自画像』。マニエリスム画家パルミジャニーノの自画像にインスピレーションを受け、詩人の思考は軽やかにつらなっていく。ポール・オースターの愛する詩人の代表作を、詩人本人による「元ネタ」解説と、訳者による詳細な解題とともに刊行。
フランチェスコ、お前の手は大きいので
この球体だって壊せるし、むしろ人が思うには
大きすぎて、細かい網の目、幽閉されていろと
言わんばかりの網の目など織ることもできない。
(大きいといっても目が粗いわけではなく、尺度が
違うだけのこと、ちょうど海底で寝こける鯨と、海の
表層に浮かぶ小さいのに大きいつもりの船との関係のように)。
(本文より)