ふつうの未来
越智友亮
ゆず湯の柚子つついて恋を今している
書誌情報
- 定価
- 1,980 円(税込)
- 電子書籍価格
- 1,980 円(税込)
- ジャンル
- 詩・短歌・俳句・川柳
- 刊行日
- 2022年06月23日
- 判型/ページ数
- B6判 並製 146ページ
- ISBN
- 978-4-86528-088-3
- Cコード
- C0092
- 装幀・装画
- 佐野裕哉/装幀
内容紹介
よく、どさっと俳句が届いたものだった。私は簡単に、いいわね、などとは言わなかった。ダメ出しを繰り返した。彼はめげなかった。――池田澄子
若手俳句アンソロジー『新撰21』『天の川銀河発電所 Born after 1968 現代俳句ガイドブック』でも軽やかな口語俳句で注目を集めた著者、待望の第一句集。みずみずしい青春時代から、大人になった「未来」への変遷を鮮やかに描きだす230句。
〈収録句より〉
冬の金魚家は安全だと思う
思い出せば思い出多し春の風邪
いい風や刈られてつつじらしくなる
コーラの氷を最後には噛む大丈夫
ひこばえや喉は言葉を覚えている
肝臓の仕事思えば金亀虫
きりぎりす眠くても手紙は書くよ
さくらさくら吸う息に疫病居るか
風光る消毒疲れなる指に
枇杷の花ふつうの未来だといいな