くちびるにウエハース
なかはられいこ
伝説の句集『脱衣場のアリス』から21年、待望の新作。
書誌情報
- 定価
- 1,980 円(税込)
- 電子書籍価格
- 1,980 円(税込)
- ジャンル
- 詩・短歌・俳句・川柳
- 刊行日
- 2022年06月28日
- 判型/ページ数
- 四六判 並製 144ページ
- ISBN
- 978-4-86528-090-6
- Cコード
- C0092
- 装幀・装画
- 北野亜弓(calamar)/装幀、久保田寛子/装画
内容紹介
〈私〉たちの言葉で、世界をはみだし続ける川柳作家・なかはられいこ。地に足のついた場所から光をともなって描かれる作品をベースに、アメリカ同時多発テロ事件をテーマとして高く評価された連作「2001/09/11」を含む、全219句を収録。
作品のことばに、不思議なひかりがやどり、あるいは、切なげなかげりが広がる。それら全てを吸収して、作品の世界の豊穣に繋げたのが、本書『くちびるにウエハース』だ。実に二十一年ぶりとなる第三句集である。(荻原裕幸「解説 無敵のアリス」より)
〈収録句より〉
ぼくたちはつぶつぶレモンのつぶ主義者
約束を匂いにすればヒヤシンス
ポケットを出るまで指は鳥でした
いとこでも甘納豆でもなく桜
ともだちがつぎつぎ緑になる焦る
行かないと思う中国も天国も
無花果と柘榴どちらが夜ですか
ひじき、ひじき、踊ってくださいと言う雨だ
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