はじめに
第一部 伝達/交流の形式としてのパトファニー
第一章 神性と演劇——古代ローマをめぐる思考から
アウグスティヌスを読むクロソウスキー
不実な中間存在としてのダイモーンとシミュラークル
異種交配の舞台へ
第二章 クロソウスキーと俳優——一九八〇年のカルメロ・ベーネ論から
俳優=仮面を分裂させる者
俳優=パトスを開示する者
クロソウスキーにおける神学と演劇
第二部 『わが隣人サド』における伝達
第一章 『わが隣人サド』初版(一九四七)
サドと大革命——犯罪集団としての革命政府
サドと無神論——処女性へのオマージュ
初版から消えた幻の論考——「虚無の肉体」
バタイユの批判
第二章 伝達、共犯性、シミュラークル——一九六三年のバタイユ論から
思考の無力さ
共犯性
第三章 『わが隣人サド』再版(一九六七)
「言語の言語自体による締め出し」
『わが隣人サド』をどう読むか——初版と再版の断絶と連続性
第三部 ニーチェ論における伝達
第一章 ニーチェと俳優——「ニーチェ、多神教、パロディ」より
ニーチェと多神教
「存在の可能性」を救済するために——クロソウスキーとパロディ
第二章 〈永遠回帰〉の体験
不意の覚醒
〈永遠回帰〉のもつ二つの性質
第三章 衝動の記号論
身体——諸衝動の遭遇の場
衝動・身ぶりとしての記号/略号化された記号
第四章 「教理のシミュラークル/シミュラークルの教理」としての〈永遠回帰〉
ニーチェと/の言語——戦略としてのアフォリズム
「教理のシミュラークル」としての〈永遠回帰〉
「シミュラークルの教理」としての〈永遠回帰〉
第四部 『歓待の掟』における伝達
第一章 「独自の記号」とロベルトの身体の現前
「独自の記号」
身ぶりの破格語法——現前するロベルトの身体
第二章 身体を模倣する言語
「歓待の掟」
なぜ書くのか?
ファンタスムとシミュラークル
第三章 策略としてのシミュラークル
第五部 言葉の試練としてのエクフラシス——『アエネイス』の翻訳をめぐって
第一章 ラテン語が喚起するイマージュと屈折
第二章 エクフラシス——身体と/の言語
第三章 言語の呪術性/演劇性
第六部 絵画論における伝達
第一章 シミュラークルとしてのタブロー
クロソウスキーと絵画
魔を祓う/模倣する機能としてのシミュラークル
第二章 タブローの成立条件
ステレオタイプ
スペクタクル
第三章 新たな伝達の言語へ向けて
記号としてのイマージュ——ヒエログリフと演劇言語
身体のコード化——類似、模倣
新たな伝達の言語へ
結論
コラム1 ピエール・クロソウスキー、または受肉せる霊/言語
コラム2 もう一人の「ロベルト」——若きクロソウスキーの肖像
コラム3 芸術のY字路——クロソウスキーとバルテュス
あとがき
初出一覧
図版一覧/参考文献一覧/註/人名・事項索引