70年代の黎明に工作舎という編集宇宙を学ぶ。才能を集める才能とは!? クリエイター列伝、屈指のノンフィクション!——成毛眞(書評サイトHONZ代表)
書誌情報
- 定価
- 2,420 円(税込)
- 電子書籍価格
- 2,090 円(税込)
- ジャンル
- ノンフィクション 芸術・デザイン・写真
- 刊行日
- 2014年12月10日
- 判型/ページ数
- 四六判 並製 304ページ
- ISBN
- 978-4-86528-109-5
- Cコード
- C0090
- 重版情報
- 2
- 装幀・装画
- 五十嵐哲夫/装幀
内容紹介
1970年代、松岡正剛が率い、伝説として語り継がれる初期工作舎。全国から若者が集まり、不夜城の熱気をもち、多くの才能を輩出した。「パンの耳が常用食」「トイレで仮眠」など想像を超えるエピソードの数々を、松岡正剛、戸田ツトム、祖父江慎らが振り返る。編集とデザインの新時代を築きあげた創造の現場とは…!?
◉書店員さんから感想をいただきました!◉
初期工作舎の特異性は「分けない」というキーワードに集約されている。編集責任者をつとめ、キラ星のごとき才能を惹き付けた松岡正剛が提唱する「アルト・コンビナトリア」という編集概念。テキストを写真として扱ったデザイナーたち。編集部も営業部も区別のないコミューンのような活動形態。文字が情報として本や雑誌から引きはがされ安易に交換可能となった今、本書に登場する『全宇宙誌』や『人間人形時代』のように、テキストとビジュアルが混然となった物質としての書物の傑作群は、クールな過去ではなく、これからの出版物の未来を指し示す道標でもある。当時出版文化の突端にいた才能たちの群像劇として読んでも存分に楽しめるが、この混沌にこれからの本づくりへのヒントを読み取ってこそ本書を読む価値があるはずだ。 恵文社一乗寺店 堀部 篤史 初期工作舎は得体の知れない集団といったイメージだったが、その正体は、いってみれば巨大なエネルギーをもったマグマのカタマリだったのだ。『工作舎物語』を読むと、「遊」を刊行していた頃に生まれた「工作舎ライン」が、いまなおさまざまに広がり、一つの星座を作っていることがわかる。
ちくさ正文館 古田 一晴