日本人が70年間一度も考えなかったこと 戦争と正義 大澤真幸THINKING「O」

日本人が70年間一度も考えなかったこと

戦争と正義 大澤真幸THINKING「O」

安保法案成立を嘆くより、日本にはまだ未来のためにできることがあると目が覚める一冊。

書誌情報

定価
1,210 円(税込)
ジャンル
シリーズ
刊行日
2015年11月30日
判型/ページ数
四六判 並製 112ページ
ISBN
978-4-86528-131-6
Cコード
C0036
装幀・装画
松田行正+杉本聖士/装幀

内容紹介

われわれ日本人は、戦争と平和について戦後ずっと考えてきたつもりでいる。だがしかし──。「大規模なデモをもって強く反対されている法を、きわめて強引な仕方で通過させた政権が、高い支持率を維持しているのはどうしてなのか」その"不可解”な事実を、グラフと数値を使いあざやかに解明! 「敗戦」を乗り越えるための論点は、「九条の純化」そして「積極的中立主義」へと展開する。安保法案成立を嘆くより、日本にはまだ未来のためにできることがあると目が覚める一冊。 [まえがきより]
THINKING「O」13号では、戦争と正義について、日本の敗戦後70年という歴史を受けて考えている。こうした主題に緊急性があると判断したきっかけは、もちろん、安倍晋三内閣によって、集団的自衛権を認める安全保障関連法が提案されたことにある。この法は、すでに衆参両院で可決され、成立している。しかし、この法の審議している過程で──ただし国会内の議論ではなく国会外の状況を通じて──明らかになった問題は、解消されていない。(以下本編にて)
[対談より]
姜 ところで、今の集団的自衛権は、国際情勢が緊迫しているから必要だというのですが、緊迫しているとは思えない。
大澤 同感です。問題になっている尖閣諸島は無人島でヤギしか住んでいないのに、領土問題の最大の焦点になっている。ほんとうに緊迫しているのは、日米関係です。
姜 大澤さんから見て、もし戦後の国体があるとすると、これは一国単位では完結しなくなっていると考えていいですか。
大澤 もし戦後の国体として、それらしいものがあるとすれば、これは憲法九条をおいてほかにない。ところが憲法九条は、それが素晴らしいとすれば、おっしゃる通り、日本の中で閉じないから素晴らしいのです。憲法九条は、外交上の基本方針を書いているものです。

目次

まえがき
【対談】姜尚中と大澤真幸が「敗戦の日」に語る 永続敗戦から抜け出す唯一の道……姜尚中×大澤真幸
【論文】戦争と平和 どうしたら憲法九条は活きるのか………大澤真幸

『日本人が70年間一度も考えなかったこと 戦争と正義 大澤真幸THINKING「O」』に関する情報

著者プロフィール

大澤真幸

大澤真幸 (オオサワ・マサチ)

1958年生まれ。社会学。個人思想誌「THINKING「O」」主宰。『ナショナリズムの由来』で毎日出版文化賞を受賞。『自由という牢獄』で河合隼雄学芸賞を受賞。ほかの著書に世界史の謎を読み解いた『〈世界史〉の哲学』「古代篇」「中世篇」「東洋篇」「イスラーム篇」「近世篇」「近代篇1」「近代篇2」のほか、『不可能性の時代』『〈自由〉の条件』『生権力の思想』『可能なる革命』『三島由紀夫 ふたつの謎』『社会学史』『経済の起源』『この世界の問い方』など。共著に『おどろきのウクライナ』『ふしぎなキリスト教』『二千年紀の社会と思想』『ゆかいな仏教』『憲法の条件』『げんきな日本論』など。

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