戦前史のダイナミズム
御厨貴
「戦後◯◯年」ばかりが言われる今日、果たして私たちは「戦前」をしっかりわかっているのだろうか?
書誌情報
- 定価
- 2,035 円(税込)
- 電子書籍価格
- 2,035 円(税込)
- ジャンル
- 歴史・人類学
- シリーズ
- 放送大学叢書
- 刊行日
- 2016年09月30日
- 判型/ページ数
- B6判 並製 240ページ
- ISBN
- 978-4-86528-154-5
- Cコード
- C0331
- 装幀・装画
- 松田行正+杉本聖士/装幀
内容紹介
天皇と宮中、元老、貴衆両院、そして軍部。さまざまなアクターが織りなす「戦前史」を、明治・大正・昭和、3代の天皇を軸に御厨貴が描きだす! 司馬遼太郎や大佛次郎、松本清張らを通じて、いかに歴史を物語るべきかをも論じる名講義
〈本書より〉
・歴史学者は責を果しているか? 石川淳による歴史家批判
・「通史」で歴史物語を救い出す大佛次郎流の歴史物語
・明治天皇と元老が構成する「建国の父祖共同体」
・近代化の進展とともに「覚醒」してゆくカリスマ
・明治天皇 ・帝国憲法と新憲法、一身にして二生を生きた昭和天皇
・関東大震災と東京大空襲、焼野原となった東京をみて昭和天皇が決断したこと
・戦争責任をめぐる徳富蘇峰の厳しい批判
・「宮中政治家」西園寺公望と近衛文麿、「宮中官僚」牧野伸顕と木戸幸一
・司馬遼太郎風に描きだすべき政党政治型の原敬
・山田風太郎流がぴったりのプロジェクト政治型の後藤新平
・テロやクーデターの物理的暴力は政治になにをもたらしていたのか? 松本清張がみつめる二・二六事件
・1930年代はほんとうに「暗い時代」だったのか? 大佛次郎の小説と雑誌『自由』から時代と対峙する言論をみる
・三位一体で戦後を規定する安全保障条約、講和条約、新憲法
・実は日本人に親しみやすかった占領体制