近現代日本の生活経験
中川清
より豊かでより良い生活を求めてきた私たちがどのように「生き方」を変化させてきたか、貧困問題や人工妊娠中絶など、広い視点で今日の問題の本質を捉える。
書誌情報
- 定価
- 2,420 円(税込)
- 電子書籍価格
- 2,420 円(税込)
- ジャンル
- 政治・経済・社会
- シリーズ
- 放送大学叢書
- 刊行日
- 2018年04月30日
- 判型/ページ数
- B6判 並製 276ページ
- ISBN
- 978-4-86528-194-1
- Cコード
- C0336
- 装幀・装画
- 松田行正+杉本聖士/装幀
内容紹介
[国立社会保障・人口問題研究所が指摘した]「社会の失敗」という言葉は重い。人口が急増し急減する人口曲線の姿は、われわれのこれまでの生活のあり方と切り離せない。人口減少社会は、近代に対応してきた生活の営みの「思わぬ結果」として引き起こされるともいえるからである。けれども、近代を享受して身につけたものを、人口曲線のように劇的に脱ぎ捨てるわけにはいかない。日常生活の変化は緩慢であるが、そこでの生き方が少しずつ変化していることも確かである。二十一世紀の社会では、子どもを産み育てること、家族を形成し維持すること、長生きし衰えやがて終末期を迎えること、これらの人生途上の出来事が、これまでとは違った意味合いを帯びてくるのではないだろうか。
「第九章 少子・長命の環境と生き方の変容」より