淳ちゃん先生のこと
重金敦之
デビュー以来「失楽園」「愛の流刑地」多くの名作を生んだ作家・渡辺淳一。その最期まで編集者として並走した著者による回想記 。
書誌情報
- 定価
- 1,980 円(税込)
- ジャンル
- 文芸・評論・エッセイ
- 刊行日
- 2018年12月10日
- 判型/ページ数
- 未定 並製 228ページ
- ISBN
- 978-4-86528-217-7
- Cコード
- C0095
- 装幀・装画
- 吉澤正/装丁、大野雍幸/装画
内容紹介
わたしがはじめて渡辺淳一にあったのは、日本中が万博に湧いた1970年だった──。
デビュー以来第一線を走り続け、「失楽園」「愛の流刑地」「遠き落日」など数多くのベストセラーを生み出した最後の流行作家、渡辺淳一。
そのデビューから最期まで編集者として並走した著者による珠玉の回想記。
「淳ちゃん先生」なる言葉は、周囲から親しみと尊敬を込めて呼ばれたことを意味する。文中でも述べたが、池波正太郎さんも「淳ちゃん、淳ちゃん」と呼んでいた。(略)池波さんが年下の渡辺さんを「淳ちゃん」と呼ぶのは構わないが、クラブの女性や編集者は「淳ちゃん」とは呼べない。そこで女性たちは面と向かってはいわないけれど、陰で「淳ちゃん先生」と呼び始めた。出版社は原則として、寄稿家を「先生」と呼ぶ。「ちゃん」付けで呼ばれる編集者は大勢いるが、「ちゃん」付けで呼ばれる作家はめったにいない。作家、渡辺淳一さんの偉大なる「勲章」といえるのではあるまいか。
「終わりに」より