書誌情報
- 定価
- 2,200 円(税込)
- ジャンル
- 芸術・デザイン・写真
- 刊行日
- 2019年07月31日
- 判型/ページ数
- B5判変形 並製 128ページ
- ISBN
- 978-4-86528-242-9
- Cコード
- C0071
- 装幀・装画
- 三木俊一(文京図案室)/装幀
内容紹介
大気や水蒸気をモチーフに万物が移ろいゆくなかの生命の尊さをあらわし、重量のある素材から軽やかな彫刻を制作してきた青木野枝。作品の殆どは展示場所に合わせて組み立てられ、展示が終わると解体される。
本書では、作品や青木自身のインタビューの他、つくって、置き、崩す、を繰り返す営みをドキュメントとして掲載する。 素材からは想像もできない軽やかで光を宿す彫刻、ドローイング、写真など計56点が収録。関東では約20年ぶりの大規模個展が開催される青木野枝展「霧と鉄と山と」、鹿児島県アートの森「青木野枝―霧と山」の共同公式図録。エッセイでミュージシャンの寺尾紗穂が参加。
見たいけれどこの世界にないもの。
それをつくっている。
それが私にとって彫刻なのだと思う。
彫刻をこの世界にたてる。
その中に入って行く。
その中を歩く。
立ち止まって見上げたりする。
すると、初めて見る景色が広がっている。
いままでいた世界と違う気がする。
そして、見たことが何かを変えていく。
それから時が来て、この彫刻を解体する。
それは地上から消えてしまう。
その間だけ開く通路のようなもの。
私にとって、彫刻の持つ時間は限られている。
ここで見たことが何かを変えて、また次に見たいものがあらわれる。
つくる。解体する。
繰り返す。青木野枝「見たいけれどこの世界にないもの。」より