かっこいい福祉

熊谷晋一郎氏、大推薦! 「自力と他力、内閉と開放、市場と制度ーフクシの葛藤は生の葛藤だ。 二人のプロフェッショナルが繰り広げる、手に汗にぎる次世代福祉論!」

書誌情報

定価
1,870 円(税込)
電子書籍価格
1,870 円(税込)
ジャンル
刊行日
2019年08月31日
判型/ページ数
四六判 並製 200ページ
ISBN
978-4-86528-246-7
Cコード
C0036
重版情報
2
装幀・装画
新田桂一(ota office)/写真、松田行正+杉本聖士/装幀

内容紹介

福祉の仕事は他の業界に比べ、なぜ低く見られてしまうのか? 冤罪事件後厚生労働事務次官を務めた村木厚子と、自らも100万人に1人の難病由来の先天性障がいを持ち、知的障がい者のアート活動施設「アトリエ インカーブ」を運営する今中博之。 福祉の仕事を通じ知り合った二人が、「制度」と「現場」の両側から、真の意味で「かっこいい福祉」を実現する方法を縦横無尽に語り合う。 障がい者福祉、高齢者福祉、児童福祉とさまざまな観点から、民間との関わり方や低賃金問題の解決策など、新時代の支援のあり方をともに考えるための一冊。

 



今当たり前のようにある公的な福祉サービスの中には、スタートの時は制度がなく、「制度外のサービス」とか、「ルール違反のサービス」などと位置付けられていたものがたくさんあります。必要なサービスは「現場」でしか生まれないのです。
──村木厚子

「障がいとは」「生きるとは」といったことについて、ずっと考え続けられる人がプロだと思います。そのためには、長く一緒に居続けることがとても重要です。短期間だけなら誰にでもできる。
──今中博之

目次

第一章 社会には「かっこいい福祉」が必要だ
行政はJKビジネスのスカウトに負けている 村木厚子
福祉をめぐるふたつのバリア 今中博之
対談 制度のバリアフリー
福祉と民間をつなぐ言葉/障がい者雇用の分断と嫉妬/福祉の外からのアプローチ/「下から目線」からの脱却/スタッフは「褒めない」努力をする/福祉業界のお金アレルギー/「選ばれる」施設とは?/成功しすぎた反薬物キャンペーン/ドライな支援とサードプレイス/SNSでつながる糸

第二章 困難を抱えた私たちが自立するまで
生きていくにはデザインしかない 今中博之
対談 与えられた環境と努力
生まれてすぐの記憶/家族から与えられたもの/ポジションを考える/学校生活で得たもの/「みんなと一緒」になじめず/「勝ちグセ」は人生を豊かにする
目標は「自分で食べていく」こと 村木厚子

第三章 福祉の世界で働くあなたへ
対談 これからの福祉を考える
福祉におけるプロの定義/どうして資格は必要か/「自分たちの問題」と思えるかどうか/離職率が高い理由/小さな視点と大きな視点/お金の使い方は革新のエネルギー/経営者は労働環境をどう整えるか/福祉的感覚と経営感覚のバランス/技術の進歩で変化するケア/下積みの時期をどう過ごすか/閉じながら外の世界へ開いていく/これからの福祉に必要なこと
「制度にない」を「制度にする」に 村木厚子
「わかりあえない」から始まる福祉 今中博之

『かっこいい福祉』に関する情報

著者プロフィール

村木厚子 (ムラキ・アツコ)

955年高知県生まれ。労働・厚生労働官僚、津田塾大学客員教授。土佐高校、高知大学卒業。78年労働省(現厚生労働省)入省。女性政策、障がい者政策、働き方改革や子ども政策などに携わる。郵便不正事件で有印公文書偽造等の罪に問われ、逮捕・起訴されるも、2010年無罪が確定、復職。2013年から15年まで厚生労働事務次官を務め退官。現在は、津田塾大学や社会事業大学専門職大学院で客員教授を務めるほか、伊藤忠商事(株)、SOMPOホールディングス(株)および住友化学(株)の社外取締役を務める。また、累犯障がい者を支援する「共生社会を創る愛の基金」の顧問や、生きづらさを抱える少女・若年女性を支援する「若草プロジェクト」の代表呼びかけ人として、NPO活動に携わるとともに、住宅確保に困難を抱える者のための居住支援や農福連携の普及に携わっている。著書に、『日本型組織の病を考える』(角川新書)『あきらめない』(日経BP)などがある。若草プロジェクト

今中博之 (イマナカ・ヒロシ)

1963年京都市生まれ。ソーシャルデザイナー。社会福祉法人 素王会理事長。アトリエ インカーブ クリエイティブディレクター。公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会:文化・教育委員会委員、エンブレム委員会委員等。厚生労働省・文化庁:障害者の芸術文化振興に関する懇談会構成員、障害者文化芸術活動推進有識者会議構成員等。イマナカデザイン一級建築士事務所代表。金沢美術工芸大学非常勤講師。偽性アコンドロプラージア(先天性両下肢障がい)。1986年~2003年、(株)乃村工藝社デザイン部在籍。2002年に社会福祉法人 素王会 アトリエ インカーブを設立。知的に障がいのあるアーティストの作品を国内外に発信する。ソーシャルデザインにかかわる講演多数。グッドデザイン賞(Gマーク・ユニバーサルデザイン部門)、ディスプレイデザインアソシエイション(DDA)奨励賞、ウィンドーデザイン通産大臣賞など受賞多数。著書に『社会を希望で満たす働きかた─ソーシャルデザインという仕事』(朝日新聞出版)『観点変更─なぜ、アトリエ インカーブは生まれたか』(創元社)など

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