楡の茂る頃とその前後

楡の茂る頃とその前後

俳句アンソロジー『新撰21』 『天の川銀河発電所』入集、繊細な文体で高く評価された若手作家による、待望の第一句集。

書誌情報

定価
1,980 円(税込)
ジャンル
刊行日
2019年11月30日
判型/ページ数
四六判変形 並製 152ページ
ISBN
978-4-86528-253-5
Cコード
C0092
装幀・装画
佐野裕哉/装幀

内容紹介

俳句アンソロジー『新撰21』 『天の川銀河発電所』入集、繊細な文体で高く評価された若手作家による、待望の第一句集。存在の眩しさ、そして儚さをめぐる264句。
この明るさをどこかで知っていたような気がして、それは何であっただろうかと、しばらく考えていた。──鴇田智哉
藤田の句は本質的に抒情句であり、その抒情の過剰さを押し留める堰としての筆致の端正さがある。──生駒大祐

目次

Ⅰ ルーペ/Ⅱ 別れの日/Ⅲ 音信不通/Ⅳ 瑠璃子/Ⅴ 言う/Ⅵ ラッシュ/Ⅶ 居候/Ⅷ 楡の茂る頃とその前後
栞:鴇田智哉「ある日あるときの」/生駒大祐「天体から冬木へ」

 アイスコーヒー空青きまま夜に入る
 忘れまた深く眠りぬ龍の玉
 孤独ありダウンジャケット抱くと萎ゆ
 長閑なり誰かが浜に残す線
 台北湿度九十東京湿度百
 秋風や汝の臍に何植ゑん
 そして木が榠樝を容るころ
 音信不通以後の鯖雲はためくシーツ
 セーターから首出すときの真顔です
 いつかある時の終わりの冷ややかに

『楡の茂る頃とその前後』に関する情報

著者プロフィール

藤田哲史 (フジタ・サトシ)

俳人

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