植民地化がはじまったアヘン戦争から、世界の主役のひとりとして影響力をます21世紀初頭まで。中国美術界の最重要人物が描き出す160年間の現代中国美術史決定版。
書誌情報
- 定価
- 13,200 円(税込)
- ジャンル
- 芸術・デザイン・写真
- 刊行日
- 2020年07月30日
- 判型/ページ数
- 四六判 上製 830ページ
- ISBN
- 978-4-86528-278-8
- Cコード
- C0070
- 装幀・装画
- 鈴木美里/装幀
内容紹介
列強による植民地化がはじまったアヘン戦争から、グローバル化した世界の主役のひとりとして影響力をいやます21世紀初頭まで。中国美術界の最重要人物が描き出す160年間の現代中国美術史決定版。図版多数収録。
近現代中国美術の歴史とは、西洋に刺激され、翻弄されながらも、
独自の発展を遂げてゆく、紆余曲折に満ちた歩みだった──。
宣教師たちによって細々ともたらされてきた西洋画と、
独自の発展深化を遂げてきた中国画の成熟。
そして、通俗美術の分野から次第に広がってゆく西洋絵画の技術、
徐々に広く、深くなってゆく西洋とのヒト・モノのコミュニケーション。
こうした世情を背景に、アヘン戦争からはじまった西洋近代との衝撃的な出会いは、
中国画の伝統を否定すべきか否か、来るべき近代の中国画はいかにあるべきか、
激しい論争とさまざまな活動を一挙に引き起こしてゆく。
中西の融合を唱えた嶺南画派、フランスにモダニズムを学んだ林風眠や劉海粟ら、
中国画の伝統の保護と更新を主張した黄賓虹と潘天壽──。
さらに、日中戦争から中華人民共和国建国へと展開する民族的危機を経て、
文化大革命、改革開放、グローバリゼーションの今日に至るまで、
中国の美術は、国家や人民にとっていかにあるべきか、という問いにも晒されてきた。
リアリズムとロマン主義の融合した革命絵画の勃興と、地方への写生運動、
その後の中国のアートの発火点となった「85美術新潮」──。
「中国にとって近代とは何か?」
国民的画家潘天壽を父に持ち、中央美術院院長などを歴任し、
みずからも現代中国水墨画を代表する作家である潘公凱が、
この大きな問いのもと堂々と描き出す大作。