エリカについて
小野絵里華
エリカ! 12年待っていた。読みたかった。やっと出た。──伊藤比呂美
書誌情報
- 定価
- 2,200 円(税込)
- ジャンル
- 詩・短歌・俳句・川柳
- 刊行日
- 2022年08月31日
- 判型/ページ数
- 四六判 上製 116ページ
- ISBN
- 978-4-86528-333-4
- Cコード
- C0092
- 装幀・装画
- 服部一成/装幀
内容紹介
私たちの、新しい詩集登場。小野絵里華待望の第一詩集刊行!
【第73回H氏賞受賞/第11回エルスール財団新人賞現代詩部門受賞】
身を任せる。揺られる。
そこで持ち続けるべきは自分の信念などではなく、
言葉で作られた世界をどこまでも漂おうという、純粋な好奇心。
だと思う。──玉城ティナ
地球上の生活がぜんぶエリカで、エリカが詩だった──伊藤比呂美
朝がくるたび、 わたしたちは生まれる。
苦しみを抱えながら、ただ静かに呼吸している。
生まれてくることは しんどいことだ。
それでも朝焼けがきて、 わたしたちはやわらかな光に包まれている。
今日もせかいは、透明なかなしみがきらめいている。
不確かで、それでも透明でキラキラした朝を私たちは待ってる──
ユリイカ新人賞で鮮烈にデビューした小野絵里華、注目の第一詩集!
夜になると、わたしは言葉をひとつずつ殺していくことに夢中になる。本当には殺さない。睡眠薬を投与していくのだ。ゆるり、骨をなくして。輪郭をなくして。 彼らはどこかに帰っていく。もとあった場所に収まる。せかいの表面はさざ波だ。そんな時、わたしはいつもひとりだ。
「あとがき 喋りすぎた朝」