相思樹の歌
西園徹彦
沖縄決戦を目前に奇跡的な出逢いから生まれた名曲「相思樹の歌」——実在の人物をモデルに鎮魂と再生を描く青春小説
書誌情報
- 定価
- 1,760 円(税込)
- ジャンル
- 文芸・評論・エッセイ
- 刊行日
- 2023年03月15日
- 判型/ページ数
- 四六判 上製 216ページ
- ISBN
- 978-4-86528-356-3
- Cコード
- C0093
- 重版情報
- 1
- 装幀・装画
- 鳴田小夜子(KOGUMA OFFICE)/装幀、ローゼル川田/装画
内容紹介
沖縄決戦を目前に、若き陸軍少尉太田博が作詞、音楽教師東風平恵位が作曲した「相思樹の歌」。のちに〈ひめゆり〉となる女生徒たちに贈られたこの名曲をめぐる出逢いと友情を軸に、鉄血勤皇隊の少年のその後を描く。
あらすじ 昭和二十年、沖縄。女子師範学校では音楽教師・東風原敬司と生徒たちが秘密に行なう卒業式に向けて合唱練習をしていた。東京から沖縄に越してきた中学生・片岡草志は、相思樹並木の向こうから聴こえてくる音色に心惹かれ、東風原との偶然の出逢いから練習に参加するようになる。
生徒たちが練習していた「相思樹の歌」は、若き陸軍少尉・大江博斗が勤労動員で出逢った生徒たちの卒業を祝して贈った詩に、東風原が曲をつけたものだという。戦局の悪化により中止が決まった卒業式にかわり、彼らはひそかに“卒業式”を計画していたのだった。大江、東風原、生徒たちと友情を育む草志だったが、その“卒業式”を目前に、米軍の沖縄上陸が確定的となり彼らは戦地へと駆り出されてしまう——いまなお聴かれ歌い継がれる沖縄の名曲「相思樹の歌」をモチーフに鎮魂と再生を描く青春小説。
今日マチ子先生、推薦!
何度でも想像し、たぐり寄せ、紡ぐ沖縄。 あの時の音楽と共に。