ソングレイン

僕らは不滅だ/なぜなら僕らは物質ではないのだから──。

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書誌情報

定価
2,200 円(税込)
ジャンル
刊行日
2023年08月21日
判型/ページ数
四六判変形 並製 168ページ
ISBN
978-4-86528-382-2
Cコード
0092
装幀・装画
松田行正+杉本聖士/装幀

内容紹介

今日の現代詩を代表する詩人のひとり、四元康祐。
長い年月にわたるヨーロッパ生活から日本へと拠点を移し、
「本駒込」で暮らす詩人にすぎてゆく日々の不穏、そして哀しみ──。
表題作を含む日々の連作「ソングレイン」21篇+長篇「本駒込ライフ」、
そして、つぶやきのような「素朴な詩」を収めた最新詩集


きょうは雨のかわりに
歌が降っているから
傘は置いていこう
歌に濡れよう
──「ソングレイン」より

ソングレイン
 ソングレイン
 めっちゃ眠い唄
 ずぼらな女の唄
 ただひとつのタスクの唄
 そこで交叉する君と僕の隕石の唄
 小籠包とイトカワの孤独な充足の唄
 それ、全部ウソだから
 永遠の夏休みの唄
 美しい晩夏のカマキリとしての僕と迫りくる君の靴の底の唄
 黒い犬を抱いている唄
 メンヘラの国を査定する唄
 復活の朝を祝う唄
 ふてくされた顔でたべる朝飯の唄
 チョー甘い恐怖の唄
 棒を持つ男たちの唄
 危険なキュウリの唄
 今際の汀の唄
 コオロギの唄
 燃えるゴミの唄
 そこの唄
 ジョンの唄

本駒込ライフ
 本駒込ライフ

『ソングレイン』に関する情報

四元康祐 (ヨツモトヤスヒロ)

主な詩集に『世界中年会議』(山本健吉文学賞)、『噤みの午後』(萩原朔太郎賞)、『ゴールデンアワー』、『日本語の虜囚』(鮎川信夫賞)、『現代ニッポン詩(うた)日記』、『単調にぼたぼたと、がさつで粗暴に』、『小説』、『鮸膠』など。詩文集に『フリーソロ日録』、『龍に呑まれる、龍を呑む――詩人のヨーロッパ体験』、小説に『偽詩人の世にも奇妙な栄光』、『前立腺歌日記』があるほか、『ホモサピエンス詩集――四元康祐翻訳集現代詩篇』、『ダンテ、李白に会う 四元康祐翻訳集古典詩篇』などの翻訳、評論書など多数。2020年より34年ぶりに生活の拠点を日本に戻す。

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