句集 人のかたち
月野ぽぽな
まだ人のかたちで桜見ています
書誌情報
- 定価
- 1,980 円(税込)
- ジャンル
- 詩・短歌・俳句・川柳
- 刊行日
- 2024年07月31日
- 判型/ページ数
- 四六判変形 並製 192ページ
- ISBN
- 978-4-86528-418-8
- Cコード
- C0092
- 装幀・装画
- 鈴木理策/写真 佐野裕哉/装幀
内容紹介
第28回現代俳句新人賞、第63回角川俳句賞受賞の著者・待望の第一句集。
月野ぽぽなはニューヨークに暮らして、俳句という最短定型の民族詩を、日本人である自分の体(私は肉体とも身心とも言う)で消化しようとしている。ーー金子兜太
〈収録句より〉
街灯は待針街がずれぬよう
鳥よりも高きに棲むを朧という
ぶらんこの鉄に戦歴あるだろうか
母を地に還し椿の蕊そろう
ピッチカート蛍ピッチカート蛍
草の先から夕焼のひとしずく
エーゲ海色の翼の扇風機
一匹の芋虫にぎやかにすすむ
月を見るおいしい水を飲むように
途中下車してしばらくは霧でいる
初冬やヘブライ文字は火のかたち
凍つる夜をピアノの音の密ひかる
もうすぐで雪のはじまりそうな肌
ゆらゆらと初湯のところどころ夢
待春の自由の女神前のめり