生成AI時代の言語論

生成AI時代の言語論

大澤真幸 THINKING「O」第020号

生成AIによって見えてきた、人間の言語の謎にせまる。

書誌情報

定価
1,980 円(税込)
ジャンル
シリーズ
刊行日
2024年10月10日
判型/ページ数
四六判 並製 272ページ
ISBN
978-4-86528-434-8
Cコード
0036
重版情報
1
装幀・装画
松田行正+倉橋弘/装幀

内容紹介

「ChatGPTは、人間に匹敵する知性を備えているのだろうか?と、問うこと自体が、ナンセンスである。」

AI研究、認知科学、心理学、言語学の領域を横断。
生成AIによって見えてきた、人間の言語の謎にせまる。

◆対談「生成AIとはなにか?」
AI研究者・松尾豊氏に、ChatGPTを中心とした生成AI研究の現状を聞く。「生成AIの発展によってブルシット・ジョブが増える?」「人間の自由意志は幻想?」
AIによって人間や社会はどのように変化していくのか、AI研究の最先端を追う。

◆鼎談「記号接地する」とはどういうことか?
『言語の本質』(2023年新書大賞受賞)の著者・今井むつみ氏、秋田喜美氏をむかえ、AI研究の重要問題である「記号接地問題」について議論。
オノマトペと言語習得にはじまり、音楽の効用、アブダクション、信仰と「知」の関係性まで縦横無尽に語る。

◆大澤真幸 AIについての論文4本を収録
・ある意味での「資本主義の終焉」
・生成 が人間に近づいている?  いやそうではなく......
・表象能力の非表象的基礎
・人類的コモンズの提唱

目次

第Ⅰ部 対談・鼎談
◆生成AIとはなにか?(松尾豊┼大澤真幸)
◆「記号接地する」とはどういうことか? AIから考える人間と言語の関係(今井むつみ┼秋田喜美┼大澤真幸)

第Ⅱ部 論文 ──大澤真幸
◆ある意味での「資本主義の終焉」
◆生成AIが人間に近づいている?  いやそうではなく......
◆表象能力の非表象的基礎 記号接地はいかにして可能か
◆人類的コモンズの提唱 生成AIから考える

『生成AI時代の言語論』に関する情報

著者プロフィール

大澤真幸

大澤真幸 (オオサワ・マサチ)

1958年生まれ。社会学。個人思想誌「THINKING「O」」主宰。『ナショナリズムの由来』で毎日出版文化賞を受賞。『自由という牢獄』で河合隼雄学芸賞を受賞。ほかの著書に世界史の謎を読み解いた『〈世界史〉の哲学』「古代篇」「中世篇」「東洋篇」「イスラーム篇」「近世篇」「近代篇1」「近代篇2」のほか、『不可能性の時代』『〈自由〉の条件』『生権力の思想』『可能なる革命』『三島由紀夫 ふたつの謎』『社会学史』『経済の起源』『この世界の問い方』など。共著に『おどろきのウクライナ』『ふしぎなキリスト教』『二千年紀の社会と思想』『ゆかいな仏教』『憲法の条件』『げんきな日本論』など。

松尾豊 (マツオ・ユタカ)

スタンフォード大学客員研究員を経て、2019年より東京大学工学系研究科教授。人工知能学会では2012〜14年編集委員長、2014〜18年倫理委員長、20年から理事。2017年に日本ディープラーニング協会を設立し理事長。ソフトバンクグループ社外取締役、新しい資本主義実現会議有識者構成員なども務める。2013年よりAI戦略会議座長。専門は人工知能、ディープラーニング。

今井むつみ (イマイ・ムツミ)

1989年慶應義塾大学大学院博士課程単位取得退学。九四年ノースウェスタン大学心理学部Ph.D. 取得。専門は、認知科学、言語心理学、発達心理学。著書に『ことばと思考』(岩波新書)、『学びとは何か』(岩波新書)、『ことばの発達の謎を解く』(ちくまプリマー新書)、『英語独習法』(岩波新書)、『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策』(日経BP)など、共著に『言葉をおぼえるしくみ』(ちくま学芸文庫)、『算数文章題が解けない子どもたち』(岩波書店)などがある。

秋田喜美 (アキタ・キミ)

2009年神戸大学大学院文化学研究科修了。博士(学術)取得。大阪大学大学院言語文化研究科講師を経て、名古屋大学大学院人文学研究科准教授。専門は認知・心理言語学。著書『オノマトペの認知科学』(新曜社)、共編著 Ideophones, Mimetics and Expressives(John Benjamins)、『言語類型論』(開拓社)などがある。

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