書誌情報
- 定価
- 2,970 円(税込)
- ジャンル
- 文芸・評論・エッセイ
- 刊行日
- 2025年06月23日
- 判型/ページ数
- 四六判 並製 278ページ
- ISBN
- 978-4-86528-473-7
- Cコード
- C0097
- 重版情報
- 1
- 装幀・装画
- 鳴田小夜子/装幀、カワグチタクヤ/装画
内容紹介
『妖怪に幽霊、想像しうるすべての恐怖をお約束します!』(『お化け屋敷へ、ようこそ』より)
結婚相談所に現れた“人間の種”を欲しがる妖怪(「町外れ」)、 他人から運を盗む座敷童(「童の本懐」)、 呪術師と“使い捨て”の幽霊(「煙のように光のように」)、 ヒト型ケアAIと忘れられた女神(「NINI」)、 お化け屋敷で働くがらくた(お化け屋敷へ、ようこそ) 、少女と巨人の切ない国生み物語(「巨人の樹」)。
英語で怪談フォークロアを描き、SF界で注目を集める日本人作家ユキミ・オガワの国内オリジナル短編集、ついに邦訳! ひととひとならざる者が連帯する、物語ることのよろこびにみちた11の怪異譚。
ユキミ・オガワ作品は「ひととひとならざる者の交流」が基本にある。収録作品には「お化け」はもちろん、「口さけ女」「雪女」「座敷童」など日本でも有名な妖怪が登場し、ときに人間視点、ときに怪異視点でその距離を描いていくのだが、登場人物たちがそれぞれに抱える異質さは「乗り越えるべき障害」としてではなく、「個人の生き方」とされている。設定に設定以上の過剰な意味を持たせることなく、ユキミ・オガワの筆致は「わたしとあなた」の関係性へと伸びていくのだ。
ーー大滝瓶太(本書解説「わたしたちが知っている、わたしたちの知らない世界」より)