Agend’Ars(complete)

著者 管啓次郎

連作詩集「Agend’Ars」シリーズの新装集成版。詩人・管啓次郎の原点を示す256篇を収録。

書誌情報

定価
5,500 円(税込)
ジャンル
刊行日
2025年09月26日
判型/ページ数
四六判 並製 400ページ
ISBN
978-4-86528-487-4
Cコード
0092
装幀・装画
装幀|五十嵐哲夫、写真|管啓次郎

内容紹介

地水火風、その四大の自然力に私たちは生きているすべての瞬間でつらぬかれている。

意識しようとしまいと、それがあらゆる種の生命、生命現象の根源である──。

 

2010年から4年間にわたって連続刊行された詩人・管啓次郎の出発点、連作詩集シリーズ「Agend’Ars」の新装版。

 

 

海岸と海岸は海岸として特に似ていなくても、それぞれの海岸で見る海はその場の固有の海であり同時にひとつにつながったおなじ海だ。地球の海に孤立はない。海は荒れている時もおだやかな時も力そのもののように感じられる。雨は激しい時もしずかな時もそれぞれに心を育ててくれる。そしてどちらの水も水はひとつ、循環のサイクルにおいて、私たちの中を流れてゆく。私たちの個々の存在や生涯の限界をはるかに超えて。

第三冊「海に降る雨」刊行時のあとがきより(本書再収録)

目次

『Agend’Ars(complete)』に関する情報

著者プロフィール

管啓次郎 (スガ・ケイジロウ)

1958年生まれ。詩人、比較文学研究者。明治大学大学院理工学研究科〈総合芸術系〉教授。1980年代にリオタール『こどもたちに語るポストモダン』、マトゥラーナとバレーラ『知恵の樹』の翻訳を発表。以後、仏・西・英語からの翻訳者として活動すると同時に『コロンブスの犬』(1989)『狼が連れだって走る月』(1994) などにまとめられる批評的紀行文・エッセーを執筆する。本書のもととなった『トロピカル・ゴシップ』(1998)『コヨーテ読書』(2003)『オムニフォン<世界の響き>の詩学』(2005) はポストコロニアル多言語世界文学論の先駆として高く評価されている。2011年、『斜線の旅』にて読売文学賞受賞。2010年の第1詩集『Agend’Ars』以後、8冊の日本語詩集と1冊の英語詩集を刊行。20ヵ国以上の詩祭や大学で招待朗読をおこなってきた。2021年、多和田葉子ら14名による管啓次郎論を集めた論集Wild Lines and Poetic Travelsが出版された。

『Agend’Ars(complete)』の感想をおくる