かたちと人類

かたちと人類

松田行正:著者・装幀

5万年の歴史と未来を描く壮大な博物誌

書誌情報

定価
5,280 円(税込)
ジャンル
刊行日
2025年11月10日
判型/ページ数
四六判 496ページ
ISBN
978-4-86528-494-2
Cコード
0036
重版情報
1
装幀・装画

内容紹介

文明の背景には必ず「かたち」がある。

生成AIが発達する現代、我々は「かたち」を生み出してきた思考と肉体性に別れを告げようとしている。

「かたち」とそれを生み出してきた思考を喪失しつつあるいま、人類の未来と文明はどうなるのか? 

 

神、世界、権力、秩序、言葉、抽象、数字、音楽、時間、農耕、科学技術、そして無——

人類は二足歩行をはじめ、指と言語をつかえるようになって以来、知覚と思考を駆使してあらゆるものをとらえ、文化と文明をつくりあげてきた。

九つのユニークな観点から、自由自在、縦横無尽に歴史と事象を採集し、その5万年の過去・現在・未来、そして無限の可能性を描いた壮大な博物誌!

 

【人類がつくりあげた「かたち」の数々】

●概念(存在するけれどもわからない)……

宇宙、世界・秩序・悟り・かわいい・ネットワーク

●拡張(人間の肉体的機能を拡張させる)……

一体、空間、格子、強調、類似

●現象(知覚をかたちにする)……

光線、輪郭、感覚、循環、酩酊、記憶、書物

●強調(それは権威と結びついた)……

シンメトリー、権力、王のベッドルーム、軸、直線の暴力性、再生

●敵視(支配者に都合のよいもの)……

異端、悪魔、差別、敵、犯罪者、光と闇

●解消(対の概念は反転する)……

恐怖、恨み、鬼、闇、魔除け、神、日本の鬼、善悪、陰陽、両性具有の天使

●運動(動きを捉えるには)……

動き、繰り返し、振動、飛翔、移動、つなぐ、回転

●変更(改変や図形が及ぼす影響)……

不安、曲線、補助線、影、空間、グラフ、文字、デザイン、鉄道

●無(かたちのないものをかたちにする)……

神のことば、音、時間、歌、音程、ゼロ、恐怖、無限

 

目次

はじめに
1 概念のかたち
2 拡張のかたち
3 現象のかたち
4 強調のかたち
5 敵視のかたち
6 解消のかたち
7 運動のかたち
8 変更のかたち
9 無のかたち
おわりに

『かたちと人類』に関する情報

著者プロフィール

松田行正 (マツダ・ユキマサ)

本のデザインを中心としたグラフィック・デザイナー。自称デザインの歴史探偵。「オブジェとしての本」を掲げるミニ出版社、牛若丸主宰。『眼の冒険』(紀伊國屋書店)で第37 回講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞。著書に、『デザインってなんだろ?』(紀伊國屋書店)、『デザインの作法』(平凡社)、『にほん的』(河出書房新社)、『独裁者のデザイン』(河出文庫)、『眼の冒険』『線の冒険』(ちくま文庫)、『RED』『HATE !』『急がば廻れ』『デザイン偉人伝』『アート& デザイン表現史』『戦争とデザイン』(左右社)などがある。http://matzda.co.jp/

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