手の言語学

松田俊介

動きで伝える日本手話から言語の世界に迫る!

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書誌情報

定価
2,420 円(税込)
ジャンル
刊行日
2026年03月31日
判型/ページ数
四六判 並製 260ページ
ISBN
978-4-86528-511-6
Cコード
C0080
装幀・装画
装丁:岡部正裕(HFUdf)

内容紹介

日本手話のひみつを知ると言語がもっと面白くなる

「ドアを開けると、田中さんが化粧をしていた」を日本手話ではどう表す?

ドアは押す、引く? 化粧は口紅、ファンデーション?

日本語の感覚からすると「どうしてそんなことを考えるんだ」と思える。

しかし、身体動作を使って表す日本手話では、「そんなこと」にも思える具体的な動きを表さないと翻訳ができない!

音や文字を持たず、手と身体の動きで表し、目で見る視覚言語の日本手話。

日本手話を日々学ぶ言語学者が、日本語や英語とも比較しながら、視覚言語だからこその特徴、他の言語との共通性を浮き彫りにする!

 

・何パターンもある「開ける」の翻訳

・錯覚がコミュニケーションを支える

・日本手話には「ルビ」がある

・炭治郎の独り言は翻訳できるか

・ダジャレづくりが難しい理由

 

身体動作でメッセージを伝えるからこそ生まれる現象、面白いですよね。コミュニケーションをするうえで、何を伝達手段にするのかということが、言語にこんなにも影響を与えるんです。

ここで言う「何」の部分は、「媒体」と呼ばれます。日本語の媒体は音、日本手話の媒体は身体動作です。そして、媒体が言語に与える影響は、「媒体効果」と呼ばれます。(…)

この本は日本手話のいろいろな現象を媒体効果によって説明しようという試みのもとに書かれています。(本書「1章 無音の日常をのぞく」より)

 

川添愛さん(言語学者)推薦

松田さんが優しく、かつ易しく語る手話の世界は、驚きと興奮に満ちていました。新しい目が開かれたような気分です。

目次

まえがき
1章 無音の日常をのぞく
寄り道日本手話トーク1 日本手話のバリエーション
2章 「大雑把な日本語」と「几帳面な日本手話」
3章 「ないはずのものが見える」からこそ
寄り道日本手話トーク2 「ちょっと」迷いました
4章 人さし指に愛を込めて
5章 ことば遊びで音から文字へ
寄り道日本手話トーク3 聴覚を使って料理をする
6章 見える音、動くルビ
7章 コマ割りの言語学
寄り道日本手話トーク4 語学で大切なこと
8章 日本手話のストーリーを描く
あとがき
参考文献・参考動画

『手の言語学』に関する情報

著者プロフィール

松田俊介 (マツダ・シュンスケ)

松田俊介(まつだ・しゅんすけ)

東京大学文学部言語学研究室助教。専門は言語学(日本手話)。東京大学文学部卒業、同大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。手話通訳士。

研究の際には、手話研究の専門用語をなるべく使わずに「普通の言葉」で現象を記述・説明すること、日本手話の特殊性をことさらに強調するのではなく他言語との共通点にも注目することを心がけている。

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