荻原裕幸初期短歌選集 アヲハリズム

荻原裕幸初期短歌選集 アヲハリズム

まだ何もしてゐないのに時代といふ牙が優しくわれ嚙み殺す

書誌情報

定価
2,640 円(税込)
ジャンル
刊行日
2026年04月20日
判型/ページ数
四六判変形 上製 160ページ
ISBN
978-4-86528-516-1
Cコード
C0092
装幀・装画
佐野裕哉/装幀

内容紹介

1988年、歌集『青年霊歌』でデビュー。バブル崩壊前後に20代を過ごし、短歌という小さな詩型から新しい時代の言葉を立ち上げようと格闘した〈ニューウェーブ〉を代表する歌人・荻原裕幸。
入手困難な初期歌集5冊を大胆に編み直し、新たな読者に向けて再構成した、ベスト版アンソロジーが誕生。

【収録短歌より】
政変など起きさうにない春昼に魚の腹裂く音しづかなり

われに向ひて光る星あれ冬到る街に天文年鑑を買ふ

人生がまたそこにある人生を視ざらむとして両目を裂かば

少年兵だつたゆめさめ冬の朝心臓にさかなが棲んでゐる

(梨×フーコー)がなす街角に真実がいくつも落ちてゐた

空爆のけはひあらざるあをぞらのどこまでもあをばかりのひとひ

戦争が(どの戦争が?)終つたら紫陽花を見にゆくつもりです

恋人と棲むよろこびもかなしみもぽぽぽぽぽぽとしか思はれず

永遠よりも少しみじかい旅だから猫よりも少しおもいかばんを

なぜ恋人に刺されるときは膵臓が狙はれやすいのだらうか鳩よ

天使よりも青い論理に満たされてぼくが或る朝ぼくを抜け出す

雲はだめ風もだめ虹も夜もだめ、ここにあるものだけを信じろ

ここにゐる、ここを世界の静脈としてみづいろの時間のなかへ

目次

【目次】
青年霊歌――アドレッセンス・スピリッツ――
甘藍派宣言
あるまじろん
世紀末くん!
永遠青天症
 
あとがき

『荻原裕幸初期短歌選集 アヲハリズム』に関する情報

著者プロフィール

荻原裕幸 (オギハラ・ヒロユキ)

1962年生まれ。名古屋市在住。愛知県立大学卒。90年代のはじめ、朝日新聞に掲載された歌論の反響をきっかけに、ニューウェーブと呼ばれる。第30回短歌研究新人賞受賞。名古屋市芸術奨励賞受賞。第11回中日短歌大賞受賞。歌集出版企画「歌葉」プロデュース、総合誌「短歌ヴァーサス」責任編集、等、フリーな立場を活かした活動を続けている。歌集に『青年霊歌』『甘藍派宣言』『あるまじろん』『世紀末くん!』『永遠青天症』『リリカル・アンドロイド』『永遠よりも少し短い日常』がある。「東桜歌会」主宰。同人誌「短歌ホリック」発行人。「NHK短歌」2025年度選者。

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