TOKYO GRAFFITI ARCHIVE 東京グラフィティアーカイブ
横山隆平:写真 大山エンリコイサム:解説
2015年から東京オリンピック2020の直前までに撮影されたグラフィティの写真集
書誌情報
- 定価
- 4,400 円(税込)
- ジャンル
- 芸術・デザイン・写真
- 刊行日
- 2026年06月09日
- 判型/ページ数
- B5判変形 並製 160ページ
- ISBN
- 978-4-86528-521-5
- Cコード
- C0072
- 装幀・装画
- 杉本聖士/装幀
内容紹介
消されゆく声、ストリートのリアル
2015年から東京オリンピック2020の直前までに撮影されたグラフィティの写真集
エアロゾルスプレーやフェルトペンなどを用いてストリートに名前を記し、己の存在を表現する「グラフィティ」。1960年代の末、ニューヨークの若者たちによって始められたその文化は、ストリートカルチャーの盛り上がりとともに世界、そして日本にも拡散され、いまやあらゆる場所で目にするまでに発展した。
本書は、日本におけるグラフィティ写真を、風景の記録としてまとめた一冊。2015年から東京オリンピック2020の直前までに、おもに渋谷を中心としたエリアで撮影された5,000枚以上のなかから、211枚をセレクト。
すでにそのほとんどが消されているか、建物自体が消失してしまったグラフィティの、貴重な記録集がここに誕生。
"風景は誰のものでもないと同時にすべての人のものだ"
やがて消えていく運命にあった。
それはグラフィティと呼ばれ、あらゆる場所にあった。
そのありようは、永遠に繰り返される出現と消失、破壊と再生を宿命づけられた刹那的な都市の姿と、レンズ越しに重なってもみえた。東京に生き、渋谷に遊び、20年にわたり都市をみつめ撮り続けてきたフォトグラファーとして、それが街の風景を構成する切り離すことのできない重要なファクトだと気付く時、撮影を始めたのだった。それは東京オリンピック2020や渋谷再開発によって、暴力的なまでに都市の構造そのものが大きく変容し、街の営みが根こそぎ失われてゆく渦中でのことだった。
行政はオリンピックに向けた対外的なイメージのため、表面上ストリートカルチャーを覆い隠そうとやっきになっていた。かつての雑多で自由な街の風景が、大きく変わり始めていた。
誰かが記録しなければならない──。
(横山隆平「はじめに」より)
■巻頭に大山エンリコイサムによる解説「都市の表面——エアロゾル・ライティング小史」を収録!
ストリートアートはいまや巨大な産業となり、ヒップホップ音楽とともに地球を席巻している。思春期から成熟期に突入し、経済、文化、学術、教育など、多方面に影響をおよぼしている。それは反権力を志向した若者文化が、市民権を得て、社会に受け入れられつつあることの証左である。
そうした複合的、多面的、また分裂的ですらあるダイナミズムを抱えつつ、エアロゾル・ライティングとストリートアートの根幹には、抜き差しがたく「都市」がある。新陳代謝する都市とそこに集まる人、もの、ことの混沌としたエネルギーが耕され、思いがけない競争や創発を生み、新しい表現や文化の素地となる。それらは記録され、紹介され、ヴァイラルに拡散し、やがて突出した才能や、類まれな傑作へと結実する。そして評価され、ときには保存され、移設すらされる。これらを余すことなく内包する都市の表面とは、地層であり、戦場であり、インターネットであり、美術館であり、同時にそのすべてなのである。
(大山エンリコイサム 解説 「都市の表面——エアロゾル・ライティング小史」より)



※グラフィティが違法ないし不適切とされる場でのライティングを推奨するものではありません
