敗れし國の秋のはて 評伝堀口九萬一

敗れし國の秋のはて

評伝堀口九萬一

戦争と革命の世界史の表舞台から近代日本の運命を見届けた男、忘れられた日本人の初の本格評伝

書誌情報

定価
1,980 円(税込)
ジャンル
刊行日
2008年10月10日
判型/ページ数
四六判 上製 284ページ
ISBN
978-4-903500-08-9
Cコード
C0021
装幀・装画
戸田ツトム/装幀

内容紹介

堀口大學の父、そして日本最初の外交官。 戦争と革命の世界史の表舞台から近代日本の運命を見届けた男、忘れられた日本人の初の本格評伝。

明治という新しい国家の制度のなかで、学力だけで外交官となり故郷長岡の地から、アジア、ヨーロッパ、南米の各地に赴任。ブラジルでは隣国アルゼンチンに出張し、ロシアに先駆けて軍艦二隻を買い付け。その二隻は日露戦争で「日進」「春日」と命名され、日本海会戦で活躍、日本は奇跡的な勝利を収めます。メキシコ革命と遭遇し、マデロ大統領の悲劇の渦中に命を賭して飛び込みます。当時珍しかった国際結婚をし、息子にフランス語を学ばせ……。

タイトルは息子大學による、奇しくも敗戦の年に亡くなった父親への挽歌です。

目次

序章 ある漢詩集
第一章 戊辰戦争の陰で
第二章 外交官への道
第三章 王城事変
第四章 沙市の領事
第五章 日露戦争の陰で
第六章 代理公使
第七章 悲劇の十日間 その一
第八章 悲劇の十日間 その二
第九章 スペイン
第十章 フランス文学三昧
第十一章 再びブラジルへ
第十二章 最後の赴任
第十三章 講演と執筆の日々
第十四章 晩年
終章 敗戦後の日々
あとがき
堀口九萬一略年譜
参考文献

『敗れし國の秋のはて 評伝堀口九萬一』に関する情報

著者プロフィール

柏倉康夫 (カシワクラ・ヤスオ)

1939年東京生まれ。東京大学文学部フランス文学科卒業。NHK解説主幹、京都大学大学院文学研究科教授を経て、放送大学教授・副学長・附属図書館長。現在同大学名誉教授。京都大学文学博士。フランス共和国国家功労勲章シュヴァリエを叙勲。主な著書に『マラルメ探し』『生成するマラルメ』『アンリ・カルティエ=ブレッソン伝』、『パリの詩・マネとマラルメ』、『指導者はこうして育つ フランスの高等教育グラン・ゼコール』『石坂洋次郎「若い人」をよむ 妖しの娘・江波恵子』『ノーベル文学賞』。『評伝梶井基次郎 視ること、それはもうなにかなのだ』『敗れし國の秋のはて 評伝堀口九萬一』『私たちはメディアとどう向き合ってきたか』『思い出しておくれ、幸せだった日々を 評伝ジャック・プレヴェール』、訳書にS・マラルメ『賽の一振りは断じて偶然を廃することはないだろう』、J・L・ステンメッツ『マラルメ伝』などがある。

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