【図書新聞】早助よう子さんによる『戦前 エキセントリックウーマン列伝』の書評が掲載されました
2025年10月11日(土)付の『図書新聞』に、小説家の早助よう子さんによる『戦前 エキセントリックウーマン列伝』の書評が掲載されました。
以下、一部抜粋です。
それでも彼女らは、自分の心にしたがって生きるのをやめない。やめられない、といったほうがよいのかもしれない。その意気やよし。しかも、「列伝」だけにそういう女性たちが束になっているものだから、読んでいるこちらはじーんとしてしまう。群れだけがもたらす種類のたましいの震えが、世の中にはあるものだ。
(中略)
本書が何をしたがではなく、どんなひとかということに重きをおいている、ということに思いがいたる。「エキセントリック」は、本書の指標であるが、同時に、指標以上のなにかだ。それはどういう女性を採り上げるのか、という選択のものさしでもなく、ふるいでもないのだろう。有象無象の集まる場の提供のようなもの、街のホット(すぎる)ステーション、私の馴染みあるところでいうと、本の形をとった「寄せ場」に近いのではないか。善きものも、悪しきものも来れ、と。
目に見えない連帯を浮かび上がらせるような、心震える書評でした。ありがとうございました。