2025年10月12日（日）付の『産経新聞』「イチオシ詩歌」で、桑原聡さんに『デデバグ』をご紹介いただきました。

以下、一部抜粋です。

　日々の営みの中で遭遇するささいなトラブルの根本原因をいちいち探るなんてことをしていたら、おそらく人は精神を病んでしまう。「再起動」のひと打ちで営みが旧に復するのであれば、たとえ表面的であったとしても、「それでよし」とするのは、無難に生きてゆくうえでの知恵ではなかろうか。ところが彼女はそうした大人の知恵をよしとせず、自分と周囲にまっすぐな目をむけてゆく。

（中略）

そして言葉を生業にしている私に刺さったのが次の歌だ。

　《生きるって決めずに生きていける人の言葉は僕たちには届かない》

　メディアやSNSに氾濫するもっともらしい言葉の数々…。この作品は歌人である彼女の覚悟のように読める。これからも「生きる」って決めて詠い続けてほしい。

ご紹介ありがとうございました。