論考・作品解説・講演・インタビューのみならず、 対談や鼎談、多木浩二らによる批評をも組み込み、 作品概要図面、年譜なども添えた全4部。
書誌情報
- 定価
- 2,970 円(税込)
- ジャンル
- 建築・理工・自然科学
- 刊行日
- 2019年12月01日
- 判型/ページ数
- A5判 並製 306ページ
- ISBN
- 978-4-86528-261-0
- Cコード
- C0052
- 装幀・装画
- 松田行正+杉本聖士/装幀
内容紹介
私たちの身体の感受性を基点に、ひらかれたコミュニケーションを通じて、 明るく柔らかい空間をつくり続けて来た建築家・長谷川逸子。 時代を画する幾多の作品によって建築界に大きな影響を与えてつづけてきた世界的建築家の、 半世紀におよぶ思考の軌跡を鮮やかに描き出す著作集を刊行します。 論考・作品解説・講演・インタビューのみならず、 対談や鼎談、多木浩二らによる批評をも組み込み、 作品概要図面、年譜なども添えた全4部。
日本のすまいと人々の声ならざる声に耳を澄ましつづける長谷川逸子の建築には、
いま学ぶべきことが詰まっている。──門脇耕三
建築の行き過ぎた産業化・施設化に対する素朴な疑問と、
男社会の心性をさらりと暴く批評が深いところで重なっている。
だからいつでも、どんな場所でも、当事者としての凄みがある。──塚本由晴
その時は周縁に見えていたものが、時が経つと実は中心であったことを知る。──北山恒
「長谷川逸子の思考」第4部では自作の設計をはじめた1970年代初頭から、自らの設計事務所を設立し、都市的な規模の建築を手がけはじめる1980年代半ばまでに書かれた論考、講演録、対談、加えて多木浩二による批評などを収める。菊竹清訓の事務所を辞した後、東京工業大学の篠原一男研究室に所属、設計を補佐するかたわら、やがて自作の設計をはじめる。芸術としての建築から意識的に距離を取り、生活の複雑さを引き受け得る空間を目指した初期の住宅をめぐるテキストの数々は、当時の張り詰めた緊張感を伝える。後半には菊竹清訓、篠原一男との貴重な対談、証言を収録。多数の写真に加え、巻末に本書関連作品の概要図面および長谷川逸子年譜を付す。