『雫が海となる神話』茉莉亜まり
一閃を掴んで呑めば胸に月
前世を手繰り寄せればまたわたし
一滴の雫が海を産む神話
前世を手繰り寄せればまたわたし
一滴の雫が海を産む神話
この鍵で鍵穴で……がちゃりと、世界が開く。――荻原靖史
茉莉亜まり(まりあ・まり)1964年岡山県岡山市生まれ。時実新子の川柳に出会い、川柳をはじめる。大野進(曽我六郎)との出会いにより、表現の世界をエッセイ、詩へと拡げる。「現代川柳」会員。『ノエマ・ノエシス』(高嶋礼子主宰)会員。句集に『あやふやな月』がある。