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管啓次郎詩集 数と夕方

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意味なき数字が脳裏で明滅する
海峡を行く白い小型フェリーに
夕方の黄金の光があたって美しい
息子がこっちを見て手をふっているのもわかる
海岸にはアフリカ原産種の大木の赤い花が咲いて
それは何かを祝っているようだ
(「数と夕方」より)

われわれの生のすべての瞬間がそのときその場での地形と気象に左右されているのは、思えば驚くべきことだ。だがそれに驚きつづける人は、いったいどこにいるのだろう。
(略)
生に耐えられなくなった者たちは叫びを上げる。その叫びがつぶやきやささやきや沈黙というかたちをとる者もいる。地形と気象に対する反応が、その背景をなす。ぼくは沈黙に似た無音の情景を、文字で構成しようとした。
(あとがきより)

天の川銀河発電所 Born after 1968 現代俳句ガイ…

1968年以降に生まれた、いま最もイケてる作家による現代俳句アンソロジー! 自身も気鋭の若手俳人である佐藤文香が撰者となり、【おもしろい】【かっこいい】【かわいい】の章ごとに18人ずつ計54人の作品から選句。頼れる俳句の先輩・上田信治、小川軽舟、山田耕司と対談した「読み解き実況」も掲載しています。

季語があって5・7・5なのに、なんでこんなに自由なの? 季語がなくて5・7・5じゃないのに、こんなになんで俳句なの?

すごい、これが今の俳句か!

若々しく伸びやかで、花鳥諷詠にとどまらない題材のバリエーションをもち、切なかったり笑えたり、俳句に詳しくない人でも楽しめる新しい俳句を、結社の枠をこえて集めてみました。

初めて俳句に触れる人も、すでに俳句に親しんでいる人も、ぜひ、本書のなかから好きな作品を探してみてください。

ウイグル新鋭詩人選詩集 芽生えはじめる言葉たち

ウイグルでは詩でラブレターを書いたり、結婚式で親戚が新婦と新郎の美徳を詩で競うなど、詩の創作と発表がいまも身近に行われています。詩の朗読のできないウイグル人は一人もいないといいます。

本書は詩心のあふれたウイグル文化で育った11人の詩人たちのアンソロジー。『ああ、ウイグルの大地』『ウイグルの詩人アフメットジャン・オスマン選詩集』に続く、日本で読めるウイグル詩集第3弾。収録された詩はどれも一本の樹木のように屹立しています。