書誌情報
- 定価
- 1,650 円(税込)
- 刊行日
- 2021年12月30日
- 判型/ページ数
- 文庫(A6) 並製 152ページ
- ISBN
- 978-4-86528-060-9
- Cコード
- C0074
- 装幀・装画
- 牧寿次郎/装丁
内容紹介
1964年の東京オリンピックに伴う開発により、国立競技場近くに建設された「都営霞ヶ丘アパート」。
住民には高齢者が多く、このアパートを終の住処として生活を営んでいた。
しかし「東京オリンピック2020」を理由にアパートの取り壊しが決定。2012年7月、住民に「移転のお願い」が届く── 華やかなオリンピックの影で奪われた、ひとりひとりの生活。
詳細な資料とともに記録する、個々人の小さな歴史。
近頃とみに目にするようになった、責任者不明のまま話がどんどん進んでいく不条理は、十年、いやもっと前から存在していたと知った
──ジェーン・スー
五輪は、東京は、いのちを軽んじ、犠牲を強いてきたのだ。壊された団地は戻ってこないが、かき消された声に耳を傾けることは今からでもできる
──稲葉剛
ストイックなカメラは決して国家の社会事業を糾弾しているだけではない。徐々に消えていこうとする存在の「不確かさ」を捉えていた
──ヴィヴィアン佐藤
ひとつひとつの部屋にしみついた生活実感の背後からは、日本の敗戦~高度成長期以降のストーリーが透けて見えてくる
──七尾旅人