書誌情報

定価
3,190 円(税込)
ジャンル
刊行日
2015年07月30日
判型/ページ数
四六判 並製 368ページ
ISBN
978-4-86528-121-7
Cコード
C0052
装幀・装画
松田行正+日向麻梨子/装幀

内容紹介

世界的建築家槇文彦の『漂うモダニズム』は、建築界に静かながら重たい問いを投げかけました。かつて鮮やかな航跡を描く巨船だったモダニズムも方向性を見失い、大海原を漂っている現在、設計の自由がますます失われる建築家、そして建築に未来はあるのか。 伊東豊雄、塚本由晴、藤村龍至ら幅広い世代からの応答と、槇文彦からのさらなる回答を収録。建築の希望を探る注目の1冊。

目次

なぜ今、「漂うモダニズム」への応答なのか 真壁智治

第1章 大海原からの脱構築
オルタナティブ・モダン 近代の底が抜けた後に 五十嵐太郎
漂う建築、浮かび上がるアーキテクチャ 藤村龍至
モダニズムという仮構 黒石いずみ
クリティカルグリーニズム 植物と霊性のゆくえ 中谷礼仁

第2章 大海原に漕ぎ出す
それでも我々は小舟を漕ぎ続ける―グリッド・フレームの大海原を 伊東豊雄
parallel dialogue with Modernism 辻琢磨
大海原を漂うための方法 饗庭伸
「空間化」と「社会化」をどう引き寄せることができるのか? 小嶋一浩
モダニズムを包囲する建築の産業化 塚本由晴

第3章 大海原からの息吹
大海原に流れを生み出す「漂流」的能動 藤原徹平
ジェネリックに育った僕たちのもうひとつの空間論に向けて 塩崎太伸
新たなヴィジョンを触発する「漂うモダニズム」 堀越英嗣

第4章 大海原をさまざまに問う
そして、船は行く―「書き割り」の海原を 松葉一清
「日本のモダニズム」 その後ろ姿から想像する今の表情 内田祥士
モダニズムが見えない それでも船を漕ぐか? 横河健
大震災後の建築と人 糸長浩司
モダニズム建築の多様性の再吟味を 保坂陽一郎

第5章 大海原をいかに泳ぐのか
応答「漂うモダニズム」に応える 槇文彦

『応答漂うモダニズム』に関する情報

著者プロフィール

槇文彦 (マキ・フミヒコ)

1928年東京に生まれる。建築家。東京大学工学部建築学科卒(1952)、ハーバード大学デザイン学部修士修了(1954)。後に両校でも教鞭をとる。現在、槇総合計画事務所代表。主なる作品にヒルサイドテラス、スパイラル、幕張メッセ、風の丘葬斎場、京都国立近代美術館、MITメディアラボ等。受賞:日本建築学会賞、朝日賞、毎日芸術賞、高松宮殿下記念世界文化賞、海外からはプリツカー賞、AIAゴールドメダル等がある。著書『見えがくれする都市』(鹿島出版会)、『記憶の形象』(筑摩書房)等。

真壁智治 (マカベ・トモハル)

1943年生まれ。プロジェクトプランナー。武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻修了。プロジェクトプランニングオフィス「M. T. VISIONS」主宰。主な著書に、シリー ズ「くうねるところにすむところ」(インデックスコミュニケーションズ、平凡社)、『アーバン・フロッタージュ』(住まいの図書館出版)、『カワイイパラダイムデザイン研究』(平凡社)、『ザ・カワイイヴィジョンa、b』(鹿島出版会)、『応答漂うモダニズム』(共著、左右社)など。

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