論考・作品解説・講演・インタビューのみならず、 対談や鼎談、多木浩二らによる批評をも組み込み、 作品概要図面、年譜なども添えた全4部。
書誌情報
- 定価
- 2,970 円(税込)
- ジャンル
- 建築・理工・自然科学
- 刊行日
- 2019年12月01日
- 判型/ページ数
- A5判 並製 340ページ
- ISBN
- 978-4-86528-260-3
- Cコード
- C0052
- 装幀・装画
- 松田行正+杉本聖士/装幀
内容紹介
私たちの身体の感受性を基点に、ひらかれたコミュニケーションを通じて、 明るく柔らかい空間をつくり続けて来た建築家・長谷川逸子。 時代を画する幾多の作品によって建築界に大きな影響を与えてつづけてきた世界的建築家の、 半世紀におよぶ思考の軌跡を鮮やかに描き出す著作集を刊行します。 論考・作品解説・講演・インタビューのみならず、 対談や鼎談、多木浩二らによる批評をも組み込み、 作品概要図面、年譜なども添えた全4部。
「市民の公共空間をつくる」。
この当たり前を実現する発想の数々は、依然として新鮮さを失っていない。──小渕祐介
長谷川逸子の建築を、ポストモダニズム的な記号群ではなく、
いま私たちは勝手気ままに振る舞う個性豊かなモノたちの集いとして見ることができる。──平野利樹
物語を丁寧に紡ぎ出し、意志を貫く力強い姿に感銘を受けました。──能作文徳
「長谷川逸子の思考」第3部では1990年3月竣工の〈湘南台文化センター〉をめぐる論考や対談、インタビュー、多木浩二らによる批評などを集成する。若い世代にも開かれ、個人事務所でも応募可能な公共建築コンペとして、数多くの建築家が参加したときから注目されたこのコンペで最優秀賞を獲得したのは、「地形としての建築」をうたい、やがて「第2の自然」に収斂されるコンセプトを掲げた案だった。球儀の市民ホールや地下に埋蔵した公民館が発表当初から注目を集め、繰り返し開催された市民との対話集会が賛否の的となったこのプロジェクトは、建築の世界を超えて話題を集め、その後の時代に影響を与えることになる。以後、公共建築に数多く取り組むことになり、長谷川建築の転機ともなった80年代後半から90年代にかけての実践と思考を多角的に伝える。多数の写真に加え、巻末には本書関連作品の概要図面を付す。