長谷川逸子の思考第4部 ガランドウ・生活の装置 初期住宅論・都市論集(1972-1984)

長谷川逸子の思考第4部 ガランドウ・生活の装置

初期住宅論・都市論集(1972-1984)

論考・作品解説・講演・インタビューのみならず、 対談や鼎談、多木浩二らによる批評をも組み込み、 作品概要図面、年譜なども添えた全4部。

書誌情報

定価
2,970 円(税込)
ジャンル
刊行日
2019年12月01日
判型/ページ数
A5判 並製 306ページ
ISBN
978-4-86528-261-0
Cコード
C0052
装幀・装画
松田行正+杉本聖士/装幀

内容紹介

私たちの身体の感受性を基点に、ひらかれたコミュニケーションを通じて、 明るく柔らかい空間をつくり続けて来た建築家・長谷川逸子。 時代を画する幾多の作品によって建築界に大きな影響を与えてつづけてきた世界的建築家の、 半世紀におよぶ思考の軌跡を鮮やかに描き出す著作集を刊行します。 論考・作品解説・講演・インタビューのみならず、 対談や鼎談、多木浩二らによる批評をも組み込み、 作品概要図面、年譜なども添えた全4部。


日本のすまいと人々の声ならざる声に耳を澄ましつづける長谷川逸子の建築には、
いま学ぶべきことが詰まっている。──門脇耕三
建築の行き過ぎた産業化・施設化に対する素朴な疑問と、
男社会の心性をさらりと暴く批評が深いところで重なっている。
だからいつでも、どんな場所でも、当事者としての凄みがある。──塚本由晴
その時は周縁に見えていたものが、時が経つと実は中心であったことを知る。──北山恒
「長谷川逸子の思考」第4部では自作の設計をはじめた1970年代初頭から、自らの設計事務所を設立し、都市的な規模の建築を手がけはじめる1980年代半ばまでに書かれた論考、講演録、対談、加えて多木浩二による批評などを収める。菊竹清訓の事務所を辞した後、東京工業大学の篠原一男研究室に所属、設計を補佐するかたわら、やがて自作の設計をはじめる。芸術としての建築から意識的に距離を取り、生活の複雑さを引き受け得る空間を目指した初期の住宅をめぐるテキストの数々は、当時の張り詰めた緊張感を伝える。後半には菊竹清訓、篠原一男との貴重な対談、証言を収録。多数の写真に加え、巻末に本書関連作品の概要図面および長谷川逸子年譜を付す。

目次

序章 ガランドウ
 ガランドウ[比嘉武彦+長谷川逸子]

第一章 長い距離
 長い距離 焼津の住宅1
 物理的スケールと多視点 鴨居の住宅
 斜めの壁 緑ヶ丘の住宅
 直角二等辺三角形の立面 焼津の住宅2

第二章 建築の多元性
 住宅建築の形式的構造の演習 1972-75
 「長い距離」から「直角二等辺三角形」へ 1972-1977
 多様さと単純さ[多木浩二]

第三章 軽やかさを都市に埋め込む
 都市への埋め込み作業 焼津の文房具屋
 実体と虚構のあいだ 焼津の文房具屋[多木浩二]
 ひとつの形式から複数の形式へ 徳丸小児科
 建築の現場 松山・桑原の住宅
 AONOビル設計メモ
 長谷川さんの松山の仕事を見て[西澤文隆]

第四章 女性的なるもの
 住宅設計について思うこと
 このごろ考えていること

第五章 しなやかな空間をめざして
 私と建築設計
 住宅設計の発想とプロセス 松山・桑原の住宅
 自然の法則に従うとき消去する空間[藤井博巳+三宅理一+長谷川逸子]
 平面をめぐるディスクール[竹山聖+長谷川逸子]

第六章 菊竹さんとの出会い
 「かた」チームの五年
 菊竹清訓 一九六〇年代前半の建築
 装置としての建築[菊竹清訓+長谷川逸子]

第七章 篠原先生、そして東工大時代
 ぶつかり合いのなかから
 三十五年の歳月
 多木さんとの出会い

『長谷川逸子の思考』の構成について
初出一覧/年譜/作品概要
長谷川逸子・建築計画工房スタッフ一覧/写真家一覧、人物・第四部執筆者一覧

『長谷川逸子の思考第4部 ガランドウ・生活の装置 初期住宅論・都市論集(1972-1984)』に関する情報

著者プロフィール

長谷川逸子 (ハセガワ・イツコ)

建築家。長谷川逸子・建築計画工房主宰。1986年日本文化デザイン賞、日本建築学会賞を受賞。早稲田大学、東京工業大学、九州大学等の非常勤講師、米国ハーバード大学の客員教授など務め、1997年RIBA称号。2000年第56回日本芸術院賞受賞。第7回、第9回公共建築賞受賞。2001年ロンドン大学名誉学位。2006年AIA名誉会員称号。2016年芝浦工業大学客員教授。2018年英国王立芸術院(Royal Academy of Arts)より第1回ロイヤルアカデミー建築賞受賞。

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