金曜日の川柳

どうして、こんなことをわざわざ書くのか。川柳の三要素「穿ち」「軽み」「おかしみ」と、その先へつながる新時代のアンソロジー誕生!

書誌情報

定価
1,760 円(税込)
ジャンル
刊行日
2020年03月03日
判型/ページ数
四六判変形 並製 360ページ
ISBN
978-4-86528-268-9
Cコード
C0092
重版情報
2
装幀・装画
松田行正+杉本聖士/装幀、原麻理子/装画

内容紹介

川柳作家の樋口由紀子が時代や流派を超えて読み解いた、珠玉の333句。川柳入門に最適な一冊。


川柳万歳!

川柳は俳句と形は同じですが、なにかが違います。詩形のなかに求めるものの差異です。川柳は一見わかりやすい文芸ですが、意味を追いかけていくと「なぜ?」という疑問に突き当たるものもあります。また、「どうして、こんなことが気になるのだろう」「どうして、こんなことをわざわざ書くのだろう」と戸惑われるかもしれません。それは「はぐらかし」や「ずらし」など、川柳特有の了承や着地の仕方によるものです。そこを楽しんでいただけたらと思います。
(「あとがき」より)

 



<収録句より>

月曜日 楽しいに決まっているさ曲がり角  髙瀬霜石
火曜日 世界からサランラップが剝がせない  川合大祐
水曜日 ご公儀へ一万匹の鱏(えい)連れて  筒井祥文
木曜日 開脚の踵にあたるお母さま  なかはられいこ
金曜日 妖精は酢豚に似ている絶対似ている  石田柊馬
【俳句四季】堀田季何さんによる『金曜日の川柳』の書評が掲載されました

目次

月曜日の川柳
今日もおろおろと/金魚の出番/雨はどこにでも/心の揺れ/歯医者と眼鏡屋

火曜日の川柳
自転車を停めて/不思議な街/今のふたり/生きるとは/自分を保つ

水曜日の川柳
テレビで見ます/すったもんだ/ニャーと鳴くだけ/老いゆくよ/酒の肴に

木曜日の川柳
輪郭をつかまえる/転がったところ/母と並んで/傷つきやすさ/家の灯り

金曜日の川柳
妖精と酢豚/妻の才能/旅に出る/記憶の夕焼け/まっすぐ夜になれ

あとがき
解説 西原天気
作者別索引

『金曜日の川柳』に関する情報

著者プロフィール

樋口由紀子 (ヒグチ・ユキコ)

1953年大阪府生まれ。姫路市在住。「晴」編集発行人。「豈」「トイ」同人。句集に『ゆうるりと』『容顔』『セレクション柳人13 樋口由紀子集』『めるくまーる』。エッセイ集『川柳×薔薇』のほか、共著に『現代川柳の精鋭たち』『セレクション柳論』がある。

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