建築の解像 出会ったモダニズム

建築の解像 出会ったモダニズム

著者:堀越英嗣

モダニズムに憧れ、丹下健三に師事し、イサム・ノグチと協働した建築家が描く、体験的モダニズム

書誌情報

定価
6,930 円(税込)
ジャンル
刊行日
2025年10月30日
判型/ページ数
A5判変形 並製 644ページ
ISBN
978-4-86528-498-0
Cコード
C0052
装幀・装画
装幀:松田行正+杉本聖士+内田優花|装画:堀越優希

内容紹介

東京オリンピックと大阪万博がひらかれ、丹下健三を中心に、
日本のモダニズム建築が華やかに展開していた時代に育ち、
つのらせた建築と都市への想いと憧れが建築家としての原点だった──。

建築家吉村順三や技術史家山本学治らを擁した東京藝術大学に学び、
丹下事務所で〈東京都新都庁舎〉〈横浜美術館〉などを担当。
ノグチ・イサムと協働した〈モエレ沼公園〉などが知られる著者が描く体験的モダニズム論。

建築におけるモダニズムの歴史を、数々の名建築という「点」の集合ではなく、
建築家たちの尊敬と連鎖によって継承されてゆく「流れ」として捉え直したとき、新たな姿が見えてくる。
丹下健三やミース・ファン・デル・ローエ、コルビュジエ、
さらには日本の伝統的建築の今日的な意図と価値を設計者の視点から説く。
【図版多数掲載】

目次

はじめに
I モダニズムとは何だったのか
1 原体験としてのモダニズム
2 建築史の解像 点から線へ
3 建築史の解像 モダニズムの名作を読む
4 建築史の解像 日本建築の学び
5 部分に潜むモダニズム

II 私の出会った丹下健三
1 丹下健三のもとで
2 丹下健三の作法
3 担当作品をとおして
4 ヨーロッパの丹下健三
5 東京都新都庁舎
6 モダニストの晩年

III イサム・ノグチとともに
1 モエレ沼公園の目指したもの
2 イサム・ノグチのモダニズム

IV 体験的モダニズム論
1 連鎖してゆくもの
2 モダニストの自邸
3 山本学治、吉村順三、吉田五十八の系譜

V アーキテクトファイブという方法
1 2つの立場からの建築へのアプローチ
2 作品を俯瞰する

VI モダニズムを内から切り崩す
1 「漂うモダニズム」に寄せて
2 モダニズムの解像

あとがき
参考文献一覧
図版出典・クレジット・引用出典
アーキテクトファイブ作品リスト

『建築の解像 出会ったモダニズム』に関する情報

著者プロフィール

堀越英嗣 (ホリコシ・ヒデツグ)

1953年 東京生まれ
1972年 開成高等学校卒業
1976年 東京藝術大学美術学部建築科卒業、安宅賞、サロンドプランタン賞受賞
1978年 同大学院修士課程修了
1978-86年 丹下健三・都市・建築設計研究所
1986年 アーキテクトファイブ設立、共同主宰
2005年 堀越英嗣 ARCHITECT 5設立
2001-04年 鳥取環境大学環境情報学部環境デザイン学科教授
2004-17年 芝浦工業大学工学部建築学科教授
2017-21年 芝浦工業大学建築学部長、教授
2021年 芝浦工業大学名誉教授
2024年 東京藝術大学客員教授

丹下健三・都市・建築設計研究所時代の主な担当作品として〈赤坂プリンスホテル〉(1982)、〈兵庫県立歴史博物館〉(1983)、「東京都新都庁舎」競技設計(1986)、〈横浜美術館〉(1989)、〈シンガポー ル・マリーナサウス再開発計画〉(1983-84)、〈パリ・イタリア広場基本計画〉(1985)などがある。

主な受賞作品にアーキテクトファイブ代表建築家の共同受賞として、〈旧SME白金台オフィス〉(1998年、建築業協会賞(BCS賞)、日本建築士会連合会賞優秀賞、日本建築学会作品選奨),〈鳥取フラワーパーク〉(1998年、日本建築美術工芸協会賞特別賞)、〈新潟駅駅舎・駅前広場提案競技設計最優秀賞〉(2002年)、〈モエレ沼公園〉(2005年、グッドデザイン大賞、日本建築学会賞(業績)、土木学会デザイン賞最優秀賞)、日本建築学会作品選奨(2006年、〈モエレ沼公園〉ガラスのピラミッド)がある。
堀越英嗣 ARCHITECT 5として、〈正願寺〉(2013年、日本建築士会連合会賞奨励賞、中部建築賞)〈下田市新庁舎プロポーザル最優秀賞〉(安井・池田・堀越JV、2018年)などがある。

主な著書に『家のいごこち』(インデックスコミュニケーションズ、2007年)。
共著に『モダニズム建築の軌跡 60年代のアヴァンギャルド』(INAX出版、2000年)、『Architect5: Architecture As Sensuous Comfort』(L’Arcaedizioni、2001)、『断面パースで読む住宅の「居心地」』(彰国社、2010 年)『応答漂うモダニズム』(左右社、2015年)など。

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