エイジ・オブ・ケイジ ニコラス・ケイジとハリウッドの40年

エイジ・オブ・ケイジ

ニコラス・ケイジとハリウッドの40年

「やりすぎという言葉はぼくの辞書にはないんだ」

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書誌情報

定価
3,080 円(税込)
ジャンル
刊行日
2026年01月30日
判型/ページ数
四六判 並製 348ページ
ISBN
978-4-86528-504-8
Cコード
C0074
装幀・装画
松田行正+山内雅貴+杉本聖士/装幀、Nigel Buchanan/装画

内容紹介

「やりすぎという言葉はぼくの辞書にはないんだ」
──ニコラス・ケイジ


出演作は100本を超え、誰もがその名を知るハリウッド・スター、ニコラス・ケイジ。
オスカー俳優、アクションヒーロー、一風変わったコメディ俳優、ひいてはゴシップ紙のターゲット、ネット上の笑いの種……さまざまな顔をもつ異色の俳優の40年にわたるキャリアをたどり、ケイジのその稀有な才能に迫る。

本書はまた、彼のキャリアを通してハリウッドの移り変わりも描く――80年代のハリウッド・コメディ(『ヴァレー・ガール』『ペギー・スーの結婚』『月の輝く夜に』)、90年代のインディーズ映画や超大作アクション映画(『ワイルド・アット・ハート』『リービング・ラスベガス』『フェイス/オフ』)、そしてフランチャイズ映画の台頭、ストリーミング映画について。映画技術や観客の好み、視聴スタイルまでもが目まぐるしく変化していくなかで、ケイジはどのような選択をし、100本以上もの映画に出演するにいたったのか。
唯一無二のハリウッド・スター、ニコラス・ケイジの本格評伝。

★巻末に膨大な出演作を網羅した「コンプリート・ケイジオグラフィーーニコラス・ケイジの映画紹介」を収載(出演作は原書刊行時のもの)

 

たまに映画を観るような人でも、ちょっと考えれば、ニコラス・ケイジの映画を半ダースはいえるのではないだろうか。この本の執筆時、彼は百本以上の映画に出ており、たいていは主役を演じている。四十年の間に、あらゆるジャンルの映画に出てきた。こうして、ケイジは“icon”ともいうべき存在となった。ここでいう“icon”は、一般的な意味の「憧れの存在」と、本来の意味の「偶像的存在」の両方を指す。ケイジはひと目でその人とわかる有名人だが、同時にどう変異するか予測不可能な象徴でもあるのだ。こんな俳優はほかにいない。リスクを避けて無難な選択に逃げがちな映画業界において、彼は新しい刺激や変化をもたらすXファクターとしての役割を果たしてきた。そのために浮いた存在とみなされることもあるが、模索しながら俳優人生をひたすら進んで人々を驚かし、ほかのスター俳優が忘れ去られたあとも、話題になるように努めてきたのだ。
(本書「はじめに ケイジという男」より)

目次

はじめに──ケイジという男

1 ケイジのルーツ
2 ケイジ、試練のとき
3 解き放たれたケイジ
4 ケイジの怒り
5 ケイジの迷い
6 穏やかなケイジ
7 ケイジの年
8 アクション俳優ケイジ
9 ケイジの絶頂期
10 ふたりのケイジ
11 ケイジの窮地
12 終わりなきケイジ

おわりに──これからのケイジ
コンプリート・ケイジオグラフィ─ニコラス・ケイジの映画紹介
謝辞
訳者あとがき

写真クレジット
参考文献

『エイジ・オブ・ケイジ ニコラス・ケイジとハリウッドの40年』に関する情報

著者プロフィール

キース・フィップス (Keith Phipps)

一九九七年よりA.V. Club〔アメリカのオンライン新聞と娯楽のウェブメディア〕に入り、2004年に同社の編集者となる。その後、音楽メディア、ピッチフォークとともに2013年に影響力のある映画サイトDissolveを立ち上げ、UPROXXで映画とテレビの編集ディレクターを務める。現在はGQ、ヴァルチャー、TVガイド、The Reveal(フィップスが長年の協力者スコット・トバイアスとともに立ち上げた映画のレビューサイト)に定期的に寄稿している。また、彼の記事はニューヨーク・タイムズ、Polygon、ザ・リンガー、ザ・ヴァージ、デイリー・ビースト、ローリング・ストーンに掲載され、ナショナル・パブリック・ラジオでも取り上げられている。

金原瑞人 (カネハラ・ミズヒト)

1954年岡山県生まれ。法政大学名誉教授。翻訳家。訳書に『世界でいちばん幸せな男 101歳、アウシュヴィッツ生存者が語る美しい人生の見つけ方』(河出書房新社)、『不思議を売る男』(偕成社)、『バーティミアス』『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』(静山社文庫)、『青空のむこう』(求龍堂)、『ブラッカムの爆撃機』『さよならを待つふたりのために』(岩波書店)、『国のない男』(中公文庫)、『月と六ペンス』『このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる/ハプワース16、1924年』(新潮文庫)、『リンドバーグ 空飛ぶネズミの大冒険』(ブロンズ新社)、『文学効能事典 あなたの悩みに効く小説』(フィルムアート社)など約650冊。日本の古典の翻案に『仮名手本忠臣蔵』(偕成社)、『雨月物語』(岩崎書店)など。 著書に『翻訳ワークショップ』(研究社)、エッセイ集に『サリンジャーに、マティーニを教わった』(潮出版社)など。ブックガイドの監修に『今すぐ読みたい! 10代のためのYAブックガイド150!』(ポプラ社)、『金原瑞人[監修] による12歳からの読書案内 多感な時期に読みたい100冊』(すばる舎)、『13歳からの絵本ガイド YAのための100 冊』(西村書店)などがある。
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中西史子 (ナカニシ・チカコ)

翻訳家。兵庫県生まれ。リーズ大学院修了。金原瑞人に師事。訳書にジョン・エイジー『かべのあっちとこっち』(潮出版社)、金原瑞人との共訳にウディ・アレンの『唐突ながら ウディ・アレンの自伝』『サド侯爵の呪い 伝説の手稿『ソドムの百二十日』がたどった数奇な運命』(河出書房新社)。

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