漂うモダニズム

「20世紀から21世紀にかけて、その時代精神(モダニズム)と生き、創り、透徹した理智と鋭敏な感性の旅を続けた眼の人の半生の遍歴。」——富永譲

書誌情報

定価
7,150 円(税込)
ジャンル
刊行日
2013年03月20日
判型/ページ数
A5判 上製 470ページ
ISBN
978-4-903500-86-7
Cコード
C0052
装幀・装画
矢萩喜從郎/装幀

内容紹介

半世紀前に私がもっていたモダニズムと現在のそれは何が異なっているだろうか。ひと言でいうならば五十年前のモダニズムは、誰もが乗っている大きな船であったといえる。 そして現在のモダニズムは最早船ではない。大海原なのだ。
[本文より]

 

目次

序文

1 モダニズムの現在
漂うモダニズム
建築のモダニティそして現在という意識
玉葱の皮、或いはクリスタル・ボウル
グローバリゼーションの光と影
空間、領域、知覚
ユニヴァーサリティについて
建築はいかに社会に潜在するものを実現し得るか

2 回想の半世紀
群造形との四十五年
ワシントン大学時代
アーバン・デザイン会議56
回想としての「平和な時代の野武士達」
自分と出会う
言葉、風景、集い─日本の都市・建築の近代化の中であらわれた特性
「アプローチ」の歩みと半世紀

3 時評
ブラジリア再訪
ル・コルビュジエ・シンドローム─日本の近代建築発展の過程において
ルネサンスのまなざし
日本で建築をつくるということ
日本の新しい世代の建築家たち
多焦点都市東京と文化拠点の展開
銀座独り歩き
都市に咲いた小さな異郷
都市住居における社会資本形成は可能か
夏の定住社会

4 追悼
三人の作家が残したもの
画家・岩田榮吉
木村俊彦 建築のための構造家
至高の空間 丹下建三

5 作家と作品
建築家・村野藤吾の世界
インドの建築家・ドーシ
前川國男と現在
静けさと豊かさ 谷口吉生の建築
都市の内から 富永譲
千葉学の建築
矢萩喜從郎 旅人の世界
最後のモダニスト、アンジェロ・マンジャロッティ
ハインツ・テーザー展に寄せて
永遠の青年作家 飯田善國
I・M・ペイへのインタビューを終えて
ロンシャンの礼拝堂と私
今も近くにいるコルビュジエ
東方への旅とラ・トゥーレット

6 書評
限りなく広がる時空の中で
時間の中の建築
林昌二毒本

7 作品に寄せて
独りのためのパブリック・スペース
大きな家・小さな都市
風景の使者─フローニンゲンの実験
ヒルサイドテラスとソーシャル・サスティナビリティ
日本の都市とターミナル文化

あとがき
初出一覧

『漂うモダニズム』に関する情報

著者プロフィール

槇文彦 (マキ・フミヒコ)

1928年東京に生まれる。建築家。東京大学工学部建築学科卒(1952)、ハーバード大学デザイン学部修士修了(1954)。後に両校でも教鞭をとる。現在、槇総合計画事務所代表。主なる作品にヒルサイドテラス、スパイラル、幕張メッセ、風の丘葬斎場、京都国立近代美術館、MITメディアラボ等。受賞:日本建築学会賞、朝日賞、毎日芸術賞、高松宮殿下記念世界文化賞、海外からはプリツカー賞、AIAゴールドメダル等がある。著書『見えがくれする都市』(鹿島出版会)、『記憶の形象』(筑摩書房)等。

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