【週刊読書人】富山豊さんによる『フッサールの遺稿』の書評が掲載されました

【週刊読書人】富山豊さんによる『フッサールの遺稿』の書評が掲載されました

フッサール研究者の富山豊さんによる、トーン・ホルステン『フッサールの遺稿』の書評が「週刊読書人」(2023年3月24日号)に掲載されました。以下一部抜粋です。

エトムント・フッサールという哲学者の没後に、ユダヤ人哲学者であった彼の膨大な遺稿をナチス・ドイツの暴威から守り抜いた人物こそがこのファン・ブレダ神父である。ファン・ブレダ神父がフッサールの遺稿を救出し、ナチス・ドイツの手に渡る前に(あるいは戦火で焼失する前に)ルーヴァンのフッサール文庫に保管した、というストーリーは現象学の入門書などにもしばしば語られており、評者も何度も目にしたことがある。しかし、こうして書かれると簡単に思われるこの救出劇がいかに困難でスリリングなものであったかは本書を読むまで評者はまったく知らなかったと言ってよい。フッサールの遺稿をナチス・ドイツの手から守るため、ドイツ国外の安全な場所に救出しようとするファン・ブレダの苦闘の物語は本書の第一部にあたる。(中略)学問は知性の中だけで守られるものではないことを、本書は生き生きと教えてくれる。

素敵な書評をありがとうございます。

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