雑誌『アイデア』2023年7月号「選書と小さな出版をめぐる言葉」にて、ORDINARY BOOKSの三條陽平さんによる『東山道エンジェル紀行』の書評が掲載されました。

以下、抜粋です。

作家の町田康氏が寺門孝之氏の絵画から着想を得て文章を紡いだ小説であるが、本書は内容だけでなく本作りにも注目したくなるほど特異なプロセスを経て制作されている。本を制作するとなればふつう印刷所と製本所に依頼をする。しかし、本書は神戸芸術工科大学教授の秋山伸氏がデザインと造本設計を行い、同大の学生、edtion.nordのOB／OGとその友人らが大学内のレーザープリンターなどで印刷、手作業で製本と梱包までを手掛け、なんと数千部も発行している。商業出版社の刊行物であるので独立系出版物の定義に当てはまらないかもしれないが、「出版流通される本は機械で生産される」という常識を根底から覆すその本づくりの工程と態度は、オルタナティブかつインディペンデントそのものである。

素敵な書評をありがとうございました。