【図書新聞】古森科子さんによる『オープン・ウォーター』の書評が掲載されました
『図書新聞』(2023年7月15日号)にて、翻訳者・古森科子『オープン・ウォーター』の書評が掲載されました。以下、一部抜粋です。
本書にがガーナが出てくる。アフリカのどこだったか……?思いださそうとしたが、はっきりしない。「きみ」の両親の故郷の位置すら把握できていないなんて……恥ずかしくなった。(中略)英語には“in someone's shoes”というフレーズがある。直訳すると「他の人の靴を履いて」だが、「相手の立場になって(考える)」という意味がある。このフレーズになぞらえると、本書の読書は、“through 'your'eyes ”、つまり「「きみ」の目を通して」(「きみ」の立場になって)この世界を見ることができる。そして読み終えるころには、恥ずかしいのはガーナの位置がはっきりしないことではないと気づく。本当に恥ずかしいのは、はっきりしないままで良しとし、事実を知ろうとしないことだ。「きみ」のルーツを。「きみ」が周囲にどう見られているのかを。「きみ」の目の前には、どんな現実が広がっているのか。どんな現実を「きみ」は生きているのか。ぜひ本書で確かめてほしい。
素敵な書評をありがとうございました。