【朝日新聞】福永信さんによる『図録石川九楊大全』書評が掲載されました
『朝日新聞』(2024年9月7日付)にて、小説家・福永信さんによる『図録石川九楊大全』の書評が掲載されました。以下、抜粋です。
書といえばアクションペインティングよろしく大きな筆でパフォーマンスする。そんな思い込みがあった、この作品と出会うまでは。網目のように文字が一枚の紙を埋め尽くしている。コンピュータの回路に見える。暗号化されたデータのようでもある。本書の拡大ページを見ると、文字と文字の精緻な連携ぶりに息をのむ。派手なアクションの出番はないが、一文字でも取り除いたら崩れるのではと思えるほどの均衡が作品を支えている。一体どうやって書いたのか。気になるが、見世物じゃないし、書き終えてからが本番だ。
本書をめくるだけでいい。言葉が生命を持っているのがわかる。
福永信さん、素敵な書評をありがとうございました。