少年非行 社会はどう処遇しているか

少年非行

社会はどう処遇しているか

少年非行に対するわたしたち社会の処遇の全体像をわかりやすく示す

書誌情報

定価
1,980 円(税込)
電子書籍価格
1,980 円(税込)
ジャンル
シリーズ
刊行日
2014年06月30日
判型/ページ数
B6判 並製 264ページ
ISBN
978-4-86528-104-0
Cコード
C0336
重版情報
4
装幀・装画
松田行正+杉本聖士/装幀

内容紹介

世間をにぎわせたあの少年。彼らはその後どのように裁かれ、刑に服し、更生への道を歩んでいるのだろうか。
補導・送致から審判、保護観察・自立支援まで、少年非行に対するわたしたち社会の処遇の全体像をわかりやすく示す。最新の第4次少年法改正、裁判員制度のもたらす影響などにも言及、学校関係者や保護者にも役に立つ1冊。



このほど2021年少年法改正を踏まえて加筆・改稿を行った『新版少年非行』を刊行しました。



 「逸脱行動論」の観点から少年非行を考察するとは何か。それは、少年非行を、逸脱行動をする非行少年のみならず、少年非行へ対処する社会統制機関との相互作用を通じて構成されるものとして考察することである。その際に、少年非行の被害者や逸脱行動を目撃したり、地域で経験したり、マスメディアなどを通じて知ることによって逸脱行動への特定の社会的態度をとる「社会の構成員」、逸脱行動への複数の社会統制機関の対応をも視野に入れる。
 少年非行に関して、本書では、それを取り扱う段階別に、とりわけ非行少年への社会的反作用、具体的な対応に着目して考察を進める。非行をした少年が取り扱われる社会統制機関の流れに沿って検討しているので、初めてその名前を聞く制度や組織があるかもしれないが、自然に知識を身につけてもらえるものと思う。
 学校で生徒・学生の教育にあたっておられる先生、子育て中の親や少年非行に関心を持っておられる一般のかた、非行年齢の少年少女やそれに近い若者たち、孫や子どもを見守っておられる高齢のかたによって本書が読まれ、新たな視点と気づき、知識と洞察の深まりを提供できることを願ってやまない。
(まえがきより)

目次

はじめに
第一章 日本の少年非行
第二章 少年非行の「発生」
第三章 家庭裁判所と少年非行
第四章 少年院と保護観察
第五章 触法少年・虞犯少年
第六章 少年の刑事裁判と今後の展望
参考文献

『少年非行 社会はどう処遇しているか』に関する情報

著者プロフィール

鮎川潤 (アユカワ・ジュン)

関西学院大学名誉教授。少年非行、犯罪学、刑事政策、逸脱行動、社会問題研究。博士(人間科学)。保護司、更生保護施設評議員、学校法人評議員、少年院視察委員会委員。1952年愛知県生まれ、東京大学文学部第四類(心理学・社会学)卒業、大阪大学大学院人間科学研究科後期博士課程中途退学。松山商科大学(現・松山大学)人文学部社会学科専任講師、金城学院大学文学部社会学科・現代文化学部福祉社会学科教授、関西学院大学法学部教授、スウェーデン国立犯罪防止委員会客員研究員、南イリノイ大学カーボンデール校フルブライト研究員、ケンブリッジ大学、ウィーン大学、デラウェア大学客員研究員、中国・吉林大学、蘇州大学、中国人民大学への派遣教授、法務省法務総合研究所研究評価検討委員会委員、地方自治体選挙管理委員会委員、法務省矯正研修所支所、家庭裁判所調査官研修所の講師などを務めた。

主要著編書・訳書
単著に、Juvenile Crimes and Social Problems in Japan: A Social Constructionist Approach, Koyo Shobo, 2019、『再検証 犯罪被害者とその支援』、『新しい視点で考える犯罪と刑事政策』(2010、 2017ともに昭和堂)、『新版少年非行の社会学』(2002、世界思想社)、『少年犯罪』(2000、平凡社新書)、『犯罪学入門』(1997、講談社現代新書)、編著に『新訂逸脱行動論』 (2006、放送大学教育振興会)、監修に『戦前期少年犯罪基本文献集』全44巻(2009-2012、日本図書センター)などがある。

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