ガストロノミーの誕生

ガストロノミーの誕生

フランスの食文化から見た文学・絵画

ガストロノミーから、フランスの文学・絵画を逆照射する

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書誌情報

定価
3,300 円(税込)
ジャンル
刊行日
2025年02月27日
判型/ページ数
四六判 上製 256ページ
ISBN
978-4-86528-458-4
Cコード
C0022
装幀・装画
松田行正+杉本聖士

内容紹介

食の歴史を知るとゾラの読み方が、ミレー、ゴッホの見方が変わる

2010年に、食文化としてはじめてユネスコの世界無形文化遺産に登録された「フランス人の美食術」。

食材や調理方法を絶え間なく変化させ続けてきたフランス人たちの食事に対する飽くなき関心は、どのように生まれ、表現されてきたのか。

テーブルセッティングと庭園の共通点とは。

ゾラが「ブランデーは身の破滅」と記したのはなぜか。

ミレーとファン・ゴッホは、なぜジャガイモの描き方がちがうのか。

食の歴史を筆者独自の視点でたどりつつ、文学・美術作品からフランスの食文化を逆照射し、料理が、他の文化の作品と相互に影響を与えながら発達した文化であることを浮かび上がらせる。


中世の香辛料(スパイス)が効いた料理は決してまずかったわけではない。ではどんな味だったのか。フランス料理はソースの料理といわれ、かけるソースと鍋の中で食材を煮るソース(ラグー)がある。それがデザートをコースの最後に追いやったことをあなたはご存じだろうか。パティスリーの章ではファルス(詰め物料理)とファルス(笑劇)のおもしろさを読んでいただきたい。小麦粉を使う職人、つまりパティシエのピエスモンテとは何か、今どのような発展を遂げているかあなたは知りたいはずだ。(「まえがき」より)

まえがき
1章 フランス料理からフランス美食学へ
1 料理とは何か、あるいは自然と文化/2 スパイスの料理/3 ソースの料理/4 フランス料理のテーブルセッティング
2章 アントルメとパティスリー
1 蜂蜜から砂糖へ/2 メとアントルメ/3 ファルスfarce(ファルシfarci)とファルスfarce/4 パティスリーとは何か/5 ピエスモンテpièce montée
3章 パンの歴史とフランス人
1 パンを食べる人、粥を食べる人/2 皿としてのパン/3 フランスパンの皮/4 フランス のパン屋/5 白パンと黒パン
4章 ジャガイモとフランス
1 ジャガイモと飢饉/2 フランスのジャガイモ受容/3 パンとジャガイモ/4 パルマンティエとジャガイモ/5 一九世紀のジャガイモ受容/6 ミレーとファン・ゴッホ
5章 ワインとアイデンティティー
1 レストラン・ビストロ・ブラッスリー/2 古代におけるビール/3 ワインとアイデンティティー 古代メソポタミアから古代ギリシアへ/4 ワインとアイデンティティー 古代ローマからキリスト教時代へ/5 ワインとオ・ド・ヴィ(ブランデー)/6 テロワール
コラム
あとがき
参考文献
索引

『ガストロノミーの誕生』に関する情報

武末祐子 (タケマツ・ユウコ)

西南学院大学外国語学部教授。グルノーブル第三大学フランス文学博士DSR取得。パリ第四大学フランス文学DEA取得。専門は一九世紀フランス文学、研究テーマは文学・芸術におけるグロテスク美学。著書に『グロテスク・美のイメージ ドムス・アウレア、ピラネージからフロベールまで』(春風社)、『テ・サンパ ~フランス語っていい感じ!~』(朝日出版社、共著)、« L’Arabesque de Gustave Moreau », Si est tens a fester(CEMT EDITIONS)。

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