【毎日新聞】『ACE アセクシュアルから見たセックスと社会のこと』に関する記事が掲載されました
『毎日新聞』(2023年11月27日号)文化面にて、『ACE アセクシュアルから見たセックスと社会のこと』の翻訳者・羽生有希さんの語りを元にした紹介記事が掲載されました。以下、一部抜粋です。
「この本は単に性的でないことを社会で認めようという話ではありません」と羽生さん。「強制的性愛の中でさまざまに苦しんでいる人がいて、その中でも分断させられていることが伝われば」。さらにそうした社会の力関係にこそ目を向けてほしいと訴える。「多様性」は今や時代のキーワードだが、「私たちが多様なのは自明のこと。そのグラデーションを見えなくする社会の統制が問題なのであって、それをエースの視点から問い直すのがこの本です」。
さまざまな論点を含む本書だが、今の日本社会にどう生かすことができるだろうか。羽生さんは最もわかりやすい話として、性的同意に関する議論を挙げる。チェンは、性暴力の定義をめぐるスローガン「Yes means yes」(イエスはイエスだ)、「No means no」(ノーはノーだ)についてイエスにもさまざまなレベルがあると説く。「そもそもセックスに同意したからといって、そこに社会的強制が働いていないわけではない。そうしたことを議論するための枠組みを用意してくれる」と羽生さん。「エースの視点は、いろんな立場の人が包摂される社会に近づくための具体的なヒントをくれると思います」。
羽生さん、清水さんありがとうございました。