【朝日新聞】サンキュータツオさんによる『常設展へ行こう!』の書評が掲載されました
『朝日新聞』(2024年2月17日号)の「サンキュータツオの「語る本」を読む」にて、サンキュータツオさんによる奥野武範『常設展へ行こう!』の書評が掲載されました。以下、一部抜粋です。
まず美術館の「常設展」に絞って学芸員の方にお話を聞く、というコンセプトに拍手。「はじめに」の著者の言葉には、企画展や特別展ではなく、「常設展で見る所蔵作品にこそ、創設者の思いや設立の経緯、コレクションやコンセプトや収集の哲学が見てとれる」とある。そしてそれをそれぞれの館の学芸員に専門用語で語るのではなく、楽しく、わかりやすく語ってもらおうという試み。そうなると断然話し言葉がいい。かしこまって、ありがたそうに書かれていても、わかった気になるだけでなかなか現地に足を踏み入れるには至らない。しかし専門家が熱量をもってフランクに語る息遣いに触れると、自然とその場へ赴きたくなる。(中略)
分厚い書籍なので、分割するなりしてもいいのではとも思った。しかし通読すると、実は常設展という切り口から、日本の美術史、美術館史までをも俯瞰できるようになっていることに気づく。なので納得の分量だ。
素敵な書評をありがとうございました。