ひとりみの日本史

昔の日本は「独身」が大半だった! 結婚の概念を覆す驚きの日本史

書誌情報

定価
1,980 円(税込)
ジャンル
刊行日
2024年04月30日
判型/ページ数
四六判 並製 232ページ
ISBN
978-4-86528-408-9
Cコード
C0021
重版情報
1
装幀・装画
鈴木成一デザイン室/装幀、丸山一葉/装画

内容紹介

 

日本の歴史を貫く「ひとりみ」の思想——

結婚は特権階級の営み、実は結婚できない人が大半だった!

卑弥呼から古事記の神々、僧尼、源氏物語の登場人物、大奥の女性権力者など、古代から幕末まで、多様なひとりみたちの「生」と「性」を追う。

「独身」や「結婚」、「家族」の概念を覆す、驚きの日本史!

 

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【本書に登場する「ひとりみ」トピック】

*『古事記』に登場する日本最初の神は、“独神”(ひとりがみ)というスペシャル神だった!

*「結婚拒否」「女性の理想の生き方はひとりみ」というスピリットで響きあう、日本の最古典『竹取物語』のかぐや姫と『源氏物語』の女君たち

*引退した家族持ち女房、独身女房たちも入居OKのシェアハウスを構想した清少納言、『枕草子』

*「わらしべ長者」は元祖・独身貴族の物語?

*『独考(ひとりかんがえ)』をものした、江戸時代の知られざる才女・只野真葛

*弥次さん喜多さんに見る、江戸のひとりみ男のリアル

*社会不安、政情不安で独身、晩婚化、少子化が増えた幕末

 

ーー

前近代の「ひとりみ」について調べ、考え、書いていると、現代日本人の想像しがちな「伝統的な家族観」なるものが、いかにまやかしであるかを痛感します。

この思いは、古典文学を読むとたいてい感じるものなのですが、「ひとりみ」にフォーカスしても、やはり……という感じでした。

再三触れてきたように、十六・十七世紀に至って「皆婚社会」(鬼頭宏『人口で読む日本の歴史』)と呼ばれる、誰もが生涯に一度は結婚するものだという社会が訪れる以前には、結婚は特権階級にのみゆるされる営みで、大半の人は、ひとりみのまま生涯を終えていた。といっても子を持たぬというわけではなく、シングルマザーやシングルファザーも多かったのです。

「ひとりみ」はいわば社会のマジョリティでした。

(「おわりに」より抜粋)

ーー

*下記に誤りがございました。訂正し、お詫び申し上げます。

p204・5行目【誤】「内臓」→【正】「内蔵」

 

【通販生活】『ひとりみの日本史』の著者インタビューが掲載されました
【しんぶん赤旗】『ひとりみの日本史』をご紹介いただきました
【婦人公論】サンキュータツオさんによる『ひとりみの日本史』の書評が掲載されました

目次

はじめに 日本の歴史を貫く「ひとりみ」の思想
第一章 〝独神〞というひとりみの神々がいたーー太古の日本の家族観
第二章 卑弥呼は「ひとりみ」か?ーー即位前は、夫も子もいた古代の女帝
第三章 結婚を制限されていた内親王と、僧尼
第四章 財産が少なすぎても多すぎてもひとりみーー「わらしべ長者」と院政期の八条院
第五章 職業ゆえにひとりみーー大奥の最高権力者「御年寄」
第六章 大奥における将軍は「ひとりみ」に似ている?
第七章 自分の人生を生きたいからひとりみーー結婚が権力の道具だった時代の「結婚拒否」の思想
第八章 家のためにひとりみや結婚を強いられるーー才女・只野真葛(工藤綾子)の「ひとりみ感」
第九章 ケチゆえにひとりみ 「食わず女房」を求めた男
第十章 幕末にはなぜ少子化が進み、ひとりみが増えたのかーー実は「子沢山」を嫌っていた江戸人
第十一章 人気商売ゆえにひとりみ
第十二章 性的マイノリティゆえにひとりみ
第十三章 犯罪とひとりみ
第十四章 後世の偏見でひとりみにさせられた女ーー小町伝説とひとりみ女差別
第十五章 なぜ『源氏物語』の主要人物は少子・子無しなのかーー人間はひとりみを志向する
おわりに 『源氏物語』でいちばん幸せなひとりみ、源典侍
『ひとりみの日本史』索引式年表 
参考文献・原典

『ひとりみの日本史』に関する情報

著者プロフィール

大塚ひかり (オオツカ・ヒカリ)

一九六一年生まれ。古典エッセイスト。早稲田大学第一文学部日本史学専攻卒業。『源氏物語』全訳六巻(ちくま文庫)、『女系図でみる驚きの日本史』(新潮新書)、『ジェンダーレスの日本史』(中公新書ラクレ)、『ヤバいBL日本史』(祥伝社新書)、『くそじじいとくそばばあの日本史』『やばい源氏物語』(ポプラ新書)、『嫉妬と階級の『源氏物語』』(新潮選書)、『傷だらけの光源氏』(辰巳出版)など著書多数。趣味は年表作りと系図作り。

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