東京詩 藤村から宇多田まで|清岡智比古

東京詩 藤村から宇多田まで

  • 著者:清岡智比古
  • 装幀:清岡秀哉
  • 定価:本体2500円+税
  • 四六判並製/436ページ
  • 978-4-903500-19-5 C0092

吉本隆明氏推薦「詩人たちの東京をモチーフにした詩を、東京という都市の〈地誌〉として、作り出そうという試みである」


[目次]
序 『新体詩抄』と藤村

東京詩の出現
1 鉄道唱歌 大和田建樹
2 眠れる都 石川啄木
3 日比谷公園 岩野泡明
4 青服 清水橘村
5 暮色 三木露風
6 『一握の砂』 石川啄木
7 空しき日 与謝野晶子
8 再会 国木田独歩
9 夏の日のなまけもの 堀口大学
10 物理学校裏 島崎藤村
11 『赤光』/『あらたま』 斎藤茂吉
12 狂者の詩 高村光太郎
13 九段坂 与謝野晶子
14 『東京紅燈集』 吉井勇
15 第二の故郷 室生犀星
16 群衆の中を求めて歩く 萩原朔太郎
17 青猫 萩原朔太郎
18 日比谷 萩原恭次郎

震災から大戦まで
19 東京哀傷詩篇(関東大震災に) 金子光晴
20 焦土の帝都 野口雨情
21 わが東京 岡本かの子
22 孤独な蛹 梶浦正之
23 橋の上の自画像 富永太郎
24 東京行進曲 西条八十
25 洒落男 坂井透
26 銀座の雨 田中冬二
27 ビルディング風景 植村諦
28 私の街よ、さらば 森山啓
29 お会式の夜 中原中也
30 帝国ホテル 中野重治
31 街の伊達男 耕治人
32 妹へおくる手紙 山之口獏
33 地下鉄 小熊秀雄

戦後、そして二一世紀へ
34 昭和二十年八月十五日午後東京駅正面降車場広場 及川均
35 消える焦土 岡本潤
36 ここは東京 三好達治
37 赤身の詩 東京の廃墟に 金子光晴
38 一九四五年秋Ⅱ 中桐雅夫
39 白痴 鮎川信夫
40 九月の風 黒田三郎
41 六月 吉野弘
42 佃渡しで 吉本隆明
43 東京環七 三木卓
44 終電車の風景 鈴木志郎康
45 中央フリーウェイ 松任谷由実
46 想い出はサンシャイン60で 山本博道
47 四ッ谷快晴 崔華国
48 神田讃歌 谷川俊太郎
49 小田急線喜多見駅周辺 伊藤比呂美
50 隣人の森へ 小長谷清美
51 水のまち 新井豊美
52 きみたちこそが与太者である 清水哲男
53 小さなアパートの階段から 木坂涼
54 SAUDI−ARABIAは遠い 川口晴美
55 東京の空 森原涼子
56 東京 NIGHTS 宇多田ヒカル

あとがきにかえて

補・「東京」の成立

清岡智比古(きよおか・ともひこ)
明治大学准教授。専門は仏語、仏文学。著書に『小さな幸福』。フランス語の入門書〈フラ語〉はベストセラー。

書評・記事
小説トリッパー 2010年秋号 永江朗「東京を旅する10冊」
日経マガジン 2010年2月21日 片岡義男「消えた東京をめぐる」
サンデー毎日 池内紀「光る小さな出版社のがんばり」
河北新報、信濃毎日新聞、京都新聞、東奥日報、山陰中央新報ほか 2009年11月17日ほか
   川口晴美「時空を超えて東京を旅する」
現代詩手帖 2009年12月号 新井豊美「今年の収穫」
東京新聞、中日新聞 2009年11月22日 八木忠栄「変貌する都市の生きざま」
朝日新聞東京版 2009年11月13日 明治から現代 東京の1世紀